〜三連符と八分音符 どうやったら弾ける?〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201609 **・゜゜
私はアクション映画を観ると思わず回し蹴りをしてしまうタイプですが、デュオ・ミュゲのコンサート の後は自分がチェンバリストのような気分になっていました。
コンサートの翌日、部屋でスピネットに向かい、ラモーの楽譜を手に取りました。 ページをパラパラめくり "Les Niais de Sologne" にたどり着きました。
れいね先生がコンサートでソロに選んだラモーの曲です。
私はこの曲を弾いたことはありません。楽譜も今日初めて見たくらいです。でも、今日は弾ける気がします、完全に思い込みですが。
大きく呼吸をして、弾き始めました。
もちろん全然うまくありません。装飾も付けてる余裕がありません。でも、何とかこのページの最後まで弾ききりました。
辛うじてどんな曲かわかるのが救いでしょうか。
辛うじてのくせに、調子に乗ってページをめくります。
“1er Double des Niais”
第1変奏ってことですよね。パッと見た音符の分量からは前のページと同じくらいの難易度を考えていたのですが、ここからが地獄への一本道。
右手はずっと三連符、左手は八分音符という世界が待っていたのです。
わお。無理!!
れいね先生があまりに軽やかに弾いてたので、会場では全然気がつきませんでした。
でも、冷静に曲を思い出すと、確かに三連符と八分音符です。このパターン、有名なところだとドビュッシーのアラベスクで登場しますね。
コツとかないのかなあ。
ちょっと頑張ってみたものの、曲の輪郭すらボヤけたままだったので、この日に弾いたあとはもう手をつけることはありませんでした。
あれから約1ヶ月、そんなこともすっかり忘れていたのですが、レッスンに来て、れいね先生の顔を見て、この曲のことを思い出しました。
思い切って聞いてみましょうか。
「このページ、全然歯が立たないのですが、どうやって練習したら弾けますか?」
「三連符の2個目と3個目の間に左手の2拍目を入れるような感じかな」
と言って、冒頭を弾いてくれました。
うんうん、確かに入ってる と思ったそばから
「逆にあんまり考えない方がいいかも」
何ですってー!
「右はこんな感じ、左はこんな感じで、あとは拍の頭を合わせる」
心地よい響きに聴き惚れてしまいます。ウットリ( ´ ∇ ` )
「急に出来るようになります」
それはウソだーー!
「私も最初出来なくて『違う!』って言われましたよ。
右手で三連符弾いてみてもらえますか」
片手なら出来ます。私が弾きだすと、2小節目に入ったところで、先生は左手の旋律を弾き始めました。
えーー!待って!! つられちゃう。
自分のリズムを崩さず、先生の音を聞きすぎず、でも重なりを微かに感じます。
「そんな感じです。頭で考えてやるのなら……」
12個の丸を書いて、それぞれ2個おき、3個おきに黒く塗ってみせてくれました。
なるほどね。音楽って数学だなと思いながら、ちょっとだけこの曲のハードルが低くなるのを感じました。
今やってるのが終わったら、この曲をやりたいなあ。
やるなら、もちろん、れいねラモーの完コピ目指して頑張ります!
あれ? ちょっと下がったハードルが棒高跳びのバーのように空高く上がってしまったような……。
いや、単なるイメージですよ。現実はそんなに甘くないのです。
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about harpsichord (cembalo)▼ lepetitclavecin.hatenablog.com
〜はじめての連弾〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201608 **・゜゜
今回のレッスンはデュオ・ローズです。
7月に見てもらったバッハを早速合わせてみることにしました。
今まではそれぞれがある程度完成してから合わせていたのですが、合わせてみると自分の音が思わぬ役割を持っていたことに気がつくこともありました。
ふたりの音色が重なりあってこそのデュオ・ローズです。出来るだけ早い段階で合わせた方が良いのではと思い、今回はそのようにしてみました。
やっぱり合わせると、イメージが湧いてきます。曲の完成までの時間が短縮出来そうな予感がします。
そして、もう1曲、見てもらいました。
何とデュオ・ローズ初めての連弾曲です!!
2台チェンバロは2台4手なので、2人で1台ずつの楽器を弾きます。
それに対し、連弾は1台4手、1台の楽器を2人で弾きます。
薫子さんと私は、以前参加した発表会でチェンバロの連弾を一緒に見ていたので「いつか連弾しようね」とずっと言っていました。
しかし、私たちのアンサンブルは思いがけず少し形を変えて2台チェンバロで実現しました。
2台チェンバロはとても楽しくて、いつしか連弾のことは忘れていました。
その理由を深く考えたことはありませんが、連弾(1台)で出来ることは当然2台でも出来てしまうことに何となく気がついていたのかもしれません。
さて、今回連弾をやろうと思ったのは、あることに気がついたからです。
そう、2台チェンバロはチェンバロが2台ないと出来ないのです。
何を当たり前なことを、と言われそうですが、実際、これはかなり高いハードルです!!
れいね先生の家にチェンバロが2台あったから全然気がつきませんでした。
そんなわけで、1台でも楽器があれば2人で演奏出来る曲をレパートリーに加えたいなと軽い気持ちで始めたのですが……
やってみるとかなり難しいです。2台とは違った難しさがあります。
ピアノの連弾だと88鍵を2人で弾くわけですが、チェンバロの鍵盤は60鍵程度です。1人あたり10鍵は少ない上に、一般的なチェンバロの鍵盤の幅はピアノよりも狭いときています。これはかなり窮屈です。
「ローズは連弾、初めてでしたっけ?」
ボロボロの初連弾を披露して疲労した薫子さんと私は大きく頷きました。もう、上手くいかなすぎて、笑いが込み上げるレベルです。
前言撤回、バッハはかなり上手く弾けたように思います。
れいね先生がアドバイスをくれました。
「連弾は音楽だけでなく雑務にも気を回さないといけないので最初は慣れないと思います。 手がぶつかるとか、楽譜をめくるタイミングとか、まあ徐々に慣れてください」
そして満面の笑顔で
「この曲は合わせるのは難しくないはずだから」
と付け加えました。
確かに音楽的には早くなりがちな三連符に気をつけるくらいで特に難しくないのですが、なぜこんなにも出来ないのでしょう。
まだまだ先行き不安ですが、連弾は2台よりも聴いてもらう可能性も高いので、きちんと仕上げようと思います。
乞うご期待! と、言うほどの自信はありませんが、頑張ります。
レッスンの後は薫子さんとランチに。
デザートに夏の風物詩・かき氷を食べながら、デュオ・ミュゲのコンサートの話で盛り上がりました。
どの曲も本当に素敵でいつか弾きたいねと夢は広がるばかりですが、この中でまずやりたいのは、クープランの2台のクラヴサンのためのアルマンドということで纏まりました。
ちなみに、れいね先生はこの曲について
「クープランが2台のクラヴサンを指定した曲はこの曲だけですが、こんなに書けるのなら、何でもっとたくさん残してくれなかったの〜」
と嘆いておりました。
本当に同感です。タイムマシンが出来たらクープランに直談判してきます。
数百曲と書いたクラヴサンの曲で、たった1曲だけとはあんまりです。
でも逆になぜ1曲だけ書いたのか気になるところでもあります。
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【2016/08/26 デュオ・ミュゲ 2台チェンバロの調和 Vol.5@近江楽堂】〜memorandum〜
このブログで使用している写真のほとんどは、私が撮影したものです。 最初はフリー素材を使わせてもらおうと思っていたものの、探すのが面倒で挫折しました。
今日の1枚目(上の写真)は、3月にパリのアベス公園で撮影したスノーフレークです。
スズランに似たこの花を撮りながら、デュオ・ミュゲ、そろそろコンサートやらないかな、次はフランスものがいいなあと思っていたところ…
私の願いが通じたのか半年もしないうちに実現しました。
やったね!!
「その写真、日本で撮れるよね」 という声が聞こえてきそうですが、気にしません。
では、タップリ楽しんだデュオ・ミュゲ(中村恵美・及川れいね 2台チェンバロ)のコンサート、今回はその様子をお届けしたいと思います。
会場はとても便利な近江楽堂です。
オペラシティの中といった方がわかりやすいかもしれません。
オペラシティにはオペラを演れる大きなホールがありますが、私にとっては オペラシティ=近江楽堂、ここしか入ったことがありません。
近江楽堂なら構内案内図などは不要なくらい来ているので、迷わず到着しました。
扉を開けると2台のチェンバロが並んでいます。
演奏者を待つ楽器たちを見るだけで、期待が高まってきました。 開演前の緊張感のある空気がとても心地よいです。
写真を撮ったり、知っている方と話をしているうちに、開演時間になりました。
さあ、デュオ・ミュゲの登場です。
どんな衣装かなぁ。
今回はいわゆるドレスじゃなくて、ちょっとシックな感じと聞いていましたが……
すごく素敵〜〜!!
向かって左が恵美さん、右がれいね先生です!
白と黒のレースがオトナの雰囲気タップリです。 全く同じデザインの服ではないのに、きちんとオソロイになってます。
これぞデュオパワー。
フランスらしい優雅な曲です。
緩やかなテンポなのに、飽きさせることのない美しい調べ。
今まで聞いたデュオ・ミュゲはどれも素敵だけど、この曲はふたりの息が本当にピッタリと思ったら、フランス留学中にふたりで合わせた初めての曲との紹介がありました。
その次に来たのは同じくクープランで『ジュイエ』
この曲をこの会場で最も感慨深く聴いていたのは、私だったかも知れません。
この曲は、私が薫子さんと合わせた初めての曲で、アルマンドの紹介を聞いている時に、既に自分の思い出の中でこの曲を思い浮かべていたからです。
だけど、実際にデュオ・ミュゲの演奏を聴いてみると、私が想像していたよりもっとずっと名曲でした。
この曲の魅力を全然引き出せてなかったことに気がつかされました。
勿体ないことをしました。
このイメージを持って、いつかまた弾きたいと思います。
そのあと、クープランの曲が続き、次は中村恵美さんのソロ、フォルクレです。
フォルクレと言う作曲家は、コンサートのチラシで名前を見たことがあるくらいで、どんな曲を作る人か知らなかったけれど、とてもかっこいい感じでした。
今日はクープランの曲が多いので、クープランをイメージした曲を作ったフォルクレを選んだという恵美さん。
演奏が素晴らしいことは言うまでもありませんが、造詣が深いとこういう粋なことも出来てしまうのですね。
そのコンサートをどんな構成で演奏するかというのは、その時点でそのアーティストの表現なのだなと思いました。
前半の最後はル・ルーで締めくくられました。
ル・ルーも楽しみにしてたのですが、実はちょっとこの辺りの時間、部屋がとても寒く感じられ、記憶が曖昧です。
意外と冬よりも夏の冷房がツラくて、次回こそレッグウォーマーを用意しようと思いつつ、いつも忘れてしまいます。
来年の夏も忘れている自信があります。
ブランケットの貸し出しもあって借りていたのですが、膝掛けとしてではなく、足に巻きつけていました。 格好悪いですが、致し方ありません。
そのあと、休憩に入り、扉が開いたせいか私の寒さも和らぎました。
後半は再びクープランで始まります。 『「諸国の人々」よりフランス人』です。
冒頭の元々2台で弾ける曲とは違い、室内楽曲からアレンジされたものになります。
ヴァイオリンの華やかさ、ガンバの深み、フルートの柔らかさを失い、チェンバロだけで演奏することに不安もあったのですが、そんなことを思ってしまって本当にスミマセン。
2台チェンバロヴァージョン、とっても素敵でした。
チェンバロになったおかげで、今まで好きだった部分と違ったところに魅力を感じました。
場面の急転換には室内楽やオーケストラの方が適していますが、ちょっとずつ高揚感が増していくところはチェンバロの醍醐味だと思っています。
弦の弾かれる緊張感や強弱のつきにくい無機質なところが、演奏に取り残されることなく、素直に強く心に響いてくるのです。
演奏後に、クープランが元々クラヴシニストのせいか、とても弾きやすかったとコメントされていました。
それなら「諸国の人々」の他の作品も2台チェンバロヴァージョンで聴きたいです! 今回が第1オルドルなので、次回は、第2オルドルのスペイン人あたりをお願いします。
そして、れいね先生のラモーのソロへと続きます。
恵美さんの凜とした美しさに対し、れいね先生は艶やかな美しさ。
ふたりのデュオはとても息がピッタリだけれど、ソロで聴いてみるとそれぞれ違った個性が表れます。
昔は双子などのそっくりなデュオに惹かれましたが、今はふたりの異なった魅力がうまく溶け合う方が面白いなあって思うようになりました。
それにしても、れいね先生のラモーは素敵!!
レッスンのときにチラッと1小節弾いてくれるだけでもウットリなのですが、こうして曲として通しで聴くと、もう完全に虜です。
最後は、ラモーをデュオで。
『めんどり』ってちょっと切なさを感じていたのですが、2羽のめんどりが会話すると一気に楽しい感じになります。
この曲アレンジ次第で全然変わるかも……やっぱりラモーは偉大です。
素敵な時間はあっという間に過ぎ去ります。 終わってしまうのが残念です。
次のデュオ・ミュゲはいつかなあ。
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〜バッハ再び〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201607 **・゜゜
今月のレッスンは先生と1対1ですが、デュオの曲をメインに見てもらいました。
デュオ・ローズは、5月に大曲に一区切りつけたので、次は軽めの曲を挟むイメージで薫子さんと話していました。
私がパリで楽譜を買ってきてしまったことも大いにあるとは思うのですが、6月に入った頃から、やっぱりバッハのチェンバロ協奏曲やりたいねーとなって、殆ど間を空けずにバッハに取り組むことを決めました。
デュオの曲を個人レッスンで初めて見てもらう頃って、ちょっと不思議な感じがします。
レッスンを受ける前、曲の弾き始めの時期は、かなり必死で、相手の音を考えている余裕が殆どありません。
一度デュオで合わせた後は、ひとりで弾いている時も記憶の音が重なります。
その間の、相手の音に出会うまでって、途方もない何かと向き合っているようなそんな時間です。
そこが楽しくもあるのですが、落ち着かない感じもして、早く越えてしまいたいと思ってしまいます。ここをもっと味わえる心のゆとりが欲しいです。
まずは、先生に1回聴いてもらいます。
練習配分が悪かったのか、前半はまあまあですが、後半がつらく、辛うじて1楽章の最後の小節まで辿り着きました。
さて、第一声は…
「この曲はc-mollで重たいので、もっと軽めに弾いて」
チェンバロ・フェスティバルでこの曲と同じハ短調のBWV1062を聴いて
「重たい曲なので、重くなりすぎないように」
と書いているのですが、全く活かせていません。
でも、自分で体感した印象は残っているので、ここからイメージを固めていければいいなあと思います。
「それから、この音はFisですね」
あ、シャープ。
バッハのこういう響きの音、楽譜を見ているつもりでも、よく間違えるのですが、あとあと聴くとこの音がとても重要だったりします。
譜面どおりに弾いてるつもりなのに、どうして思い込みが入るのでしょう。
さあ、ヒントはもらいましたので、デュオ・ローズのレッスンまでに修正したいと思います。
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〜イネガルとヘミオラ〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201606 **・゜゜
新しい曲を始めるのはちょっと億劫で、つい弾ける曲に逃げてしまいがちです。 でも、今年は気持ちを入れ替えて、どんどん取り組んでみよう、そう決めました。
そうすると今度は曲を仕上げないうちに次の曲に行ってしまうという問題があるのですが、並行している曲が溜まってくるまではガンガン進もうと思います。
そんなわけで4月に始めた楽譜からもう1曲選びました。
今度はしっとりとした柔らかい曲です。 フランスもののゆっくりとした曲はリズムが掴みづらく、慣れないと正確な拍を刻みがちなのですが、そんなところを正すふたつの言葉が出てきたので、まとめておこうと思います。
inegal, inegale (イネガル)
[音楽] notes inegales 不等音符、ノート・イネガル、イネガル: 17、18世紀のフランス音楽に特有の演奏習慣。 8分音符などの連なりを故意に長短交えた不ぞろいにし、ニュアンス付けする方法。
小学館 ロベール仏和大辞典
この曲には、スラーで繋がっているのにそのふたつのキィがかなり離れていて、音が途切れてしまう箇所があります。 でも、チェンバロはピアノと違ってペダルがないので、ペダルに任せるというわけにはいきません。
どうやって弾いたらいいかれいね先生に聞いてみると、
「ここは滑らすようにスライドして、ちょっとイネガルっぽく…」
フランス語の "egal (エガル)" は、英語にすると "equal"。 "inegal (イネガル)"はその否定なので、不均等なという意味の形容詞です。
タタタタタタ
ではなく、
タ〜タ タ〜タ タ〜タ
って感じです。
ギリギリまで押さえてなるべく感覚を空けずに次の音を弾くというのは何となく想像がつきましたが、イネガルにすると、その隙間がよりなくなったように感じられます。
先生のお手本を真似て弾いてみます。 でも、私が弾くと本当の不均等になってしまい、ぎこちなさがかなり残ります。
「いい感じですよ。溜めて溜めて、指をコントロールしてください」
うーん、付点音符のようになってそうな気がします。
「これだと、やり過ぎですか?」
「最初はいっぱい入れて、段々減らしていく方向で。 それと、小節の頭は大きく、あとは崩れていく感じで」
これはイメージ勝負かな。 うまくイメージ出来れば弾けそうな気がしてきました。 フランス語で歌うような美しさを思い描いて練習します。
ヘミオラ【ヘミオラ】hemiola〔ギ〕
ギリシャ語で 1.5 ないし2:3を意味する。 3拍子の2小節(♪♪♪│♪♪♪)を 2拍子の3小節(♪♪│♪♪│♪♪)のように 読み替えて演奏すること。 バロック音楽で用いられた。
河合楽器製作所 意美音
「ここはどうしようかな、ヘミオラチックにした方がいいかな」
先生はそう言うと、2拍ずつに区切る線を引きました。
3拍が2つと2拍が3つは、どちらも合わせて6拍なので、2小節の時が流れることには変わりありません。
でも、今まで3拍子だった音楽が2拍子になるというのは、相当ドラマチックです。
ヘミオラと言い切らずに、ヘミオラチックって言ってたので、完全な2拍子ではなく、あまり拍感を持たずに、心地よい違和感になるように弾こうと思います。
あと、今日は全部下鍵盤で弾いてしまったけれど、繰り返しもあるし、どこか上鍵盤にしようかなぁ。
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予習【2016/08/26 デュオ・ミュゲ 2台チェンバロの調和 Vol.5@近江楽堂】
8月末にデュオ・ミュゲのコンサートがあります!
デュオ・ミュゲは、及川れいね先生と中村恵美さんのチェンバロデュオです。
私にとってはデュオ・ローズを始めるきっかけのひとつでもあり、憧れの存在です!
ちなみに、ミュゲはフランス語でスズランを意味します。 スズランはフランスではとても重要なお花で、5/1に愛する人へスズランを贈る習慣があり、贈られた人には幸福が訪れると言われています。
パリ留学中に出会った2人に相応しい素敵な名前ですね。
そして、第5回を迎える今回のコンサートは、フランス音楽で構成されています。
このプログラムこそデュオ・ミュゲの真骨頂、これを聴き逃すなんて断じてありえません。
蒸し暑い日本の夏を忘れて、優雅なクラヴサン(チェンバロ)の音色に浸りましょう⸜( ´ ꒳ ` )⸝
主なプログラム
F.クープラン:2台のクラヴサンのためのアルマンド
フランソワ・クープランが4巻発行したクラヴサン曲集の中で、唯一2台チェンバロを指定している曲です。
他にも2台で演奏出来る曲はありますが、クープランがこの曲に込めた2台ならではの荘厳な響きは格別です。 眼を閉じると、ヴェルサイユ宮殿の情景が広がります。
F.クープラン:「諸国の人々」より フランス人
室内楽曲「諸国の人々(レ・ナシオン)」は、フランス人、スペイン人、神聖ローマ帝国の人々、ピエモンテ人の4つの組曲で構成されています。 2台チェンバロバージョンを聴くのは初めてなのでとても楽しみです。
G.ル・ルー:組曲 ヘ長調
Gはガスパールの略なので、ガスパール・ル・ルーとルばっかりで何だかウキウキしてきます。しっとりきれいな曲を残したフランスの作曲家です。
J.-P.ラモー:未開人たち(2台チェンバロバージョン)
ラモーのクラヴサン曲集は、1706年、1724年、1728年、1741年と、時代が下るごとにオペラ色が強くなっていきます。
未開人たちは、1728年の新クラヴサン組曲集に収録されており、元々1台の曲ですが、2台での聞き応えたっぷりです。
フランス語の原題は Les Sauvages(ソバージュ)。 ウエーブのあの髪型は、野性味溢れるって意味だったのですね。
J.-P.ラモー:めんどり(2台チェンバロバージョン)
めんどりも新クラヴサン組曲集の1曲です。 ラ・フォル・ジュルネでピエール・アンタイさんが弾いていた姿が蘇ります。
そして、デュオ・ミュゲのめんどりは…
2羽のニワトリ バージョン! (2台チェンバロバージョン)
2羽の掛け合いになるとまた違った雰囲気の曲になるんだろうなぁ。 期待が高まります。
みんなに愛されてるめんどり。メタルバージョンを見つけたので、どうぞ。
デュオ・ミュゲ(中村恵美&及川れいね)
Duo muguet
2台チェンバロの調和 Vol.5
~2台のチェンバロで楽しむフランスバロック~
日時:2016年8月26日(金)
開場18時半 開演19時
会場:近江楽堂(東京オペラシティ3階)
入場料:前売り3500円 当日4000円
チケット取り扱い:
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
カンフェティチケットセンター 0120-240-540
お問い合わせ:
森音楽事務所 03-6434-1371(平日10時半~18時)
後援:株式会社インフォメーション・ディベロプメント
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je vais y aller et j'ai tellement hâte.
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【2016/07/03 チェンバロ・フェスティバル in 東京 第4回 J.S.バッハ@浜離宮朝日ホール】その3
バッハのチェンバロ協奏曲全曲を演奏すると言う何とも魅惑的なコンサート、今回はその続きをお届けします。
BWV1062を聴き終えて、その迫力に圧倒されたデュオ・ローズ(薫子さんと私)ですが、この先も最後まで目の離せない、いや耳が離せない?、魅力的な楽曲の数々です。
それでは、チェンバロ・フェスティバル最終楽章です。
J.S.バッハ
チェンバロ協奏曲全曲演奏会 第2回(続き)
チェンバロ協奏曲 第6番 ヘ長調 BWV1057
ここで本日、最初で最後の譜めくりすとが登場しました。
2台のリコーダーも加わり、華やかで動きも早く、チェンバロの転がるような音が魅力の1曲です。 原曲はブランデンブルク協奏曲第4番。
奏者の鈴木優人さんは昨年見に行ったジョワ・ド・ヴィーヴルでアーティスティックディレクターを務めていました。 前回は指揮者として拝見しましたが、今日のチェンバロもどちらも素敵です。
普段から指揮者として活躍されているからか、弦楽器やリコーダーとの調和がとても自然で美しく感じました。
チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV1056
曽根さん本日二度目のソロです。 5番はあまり聞いたことがなかったのですが、曲の魅力に気が付いたという意味で、本日最大の収穫です。
第2楽章はカンタータ第156番と同じ。「バッハのアリオーソ」として人気だそうです。
3台のチェンバロのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV1064
4台は短調、3台のもう1曲も短調。 この曲は3台4台で唯一の長調の曲です。 チェンバロのキラキラした魅力がふんだんに盛り込まれています。 こちらは1063と比べると3台らしさがよく出ているので最後を飾るに相応しい派手な曲です。
7曲なんて多過ぎるかなと思いましたが、そんなことなく、それぞれの曲の魅力にどっぷり浸りました。
もう終わってしまうのが残念です。
鳴り止まぬ拍手の中、舞台の中央には今日初めて4台が配置されていきます。
もしや、アンコールは・・・。
そうですよね。こんな素敵なチェンバリストが4人揃って、アンコールにできる曲なんてこの世に1曲しかありません。
アンコール:4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065
オリジナルはヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲。 今だったら バッハ feat. ヴィヴァルディ、ヴィヴァルディとバッハのコラボとか言うところです。 アレンジでこれだけ自分らしさを出すバッハの頭の中はどうなっていたのでしょうか。
こちらのプログラムには4台がないことが心残りだね、薫子さんとそう話していたのですが、ラッキーなことに少し4台を聴くことが出来ました!!
この豪華なプロのチェンバリストたちをもってしても、難しい、頭を使う、と言わせるヨハン・セバスチャン・バッハ。 この偉大な作曲家の曲を聴いたり演奏したり出来ることを、とても幸せに思います。
使用楽器
左:デヴィッド・レイ 作/ フレンチ様式。 ブランシュの復元。 白地に可愛らしい柄の楽器、最近の曽根さんの写真でよく見るので、曽根さんの持ち物だと思います。
左2番目: ウィリアム・ダウド 作/ フレンチ様式。 れいね先生のフレンチと同じダウドの楽器、2台のダウドのハーモニーを聞いてみたいです。
左3番目: ブルース・ケネディ 作/ ジャーマン様式。 ミートケの復元。 響板も外してあるし、この配置だと殆ど見えません(T_T)
右: 久保田彰 作/ フレミッシュ様式。 響板の絵画が美しい久保田さんのフレミッシュ。
ちなみに4台から始まる第1回では、違う配置だったそうです。
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