【2016/07/03 チェンバロ・フェスティバル in 東京 第4回 J.S.バッハ@浜離宮朝日ホール】その2
バッハのチェンバロ協奏曲全14曲を2回で演奏すると言うパワフルなコンサート、薫子さんとその第2回を聴きにきました。
この演奏会は、3日間に渡って行われたチェンバロ・フェスティバルの5つのコンサートのトリを飾る公演に当たります。
フェスティバルの期間中は、本格的な演奏会だけではなく、DVD上映会、レクチャー・コンサート、ミニライブやチェンバロの展示など様々なイベントがありました。
コンサートの前にちょっと寄ってきたので、こちらもどうぞ。 → その1
それでは、チェンバロ協奏曲、開幕です。
J.S.バッハ
チェンバロ協奏曲全曲演奏会 第2回
浜離宮朝日ホールの音楽ホールは552席、このくらい広くなると、チェンバロの音は小さく感じられます。
バッハの時代のようにストリングスは1人ずつの構成でしたが、それでも最初はストリングスの音量が強く感じられました。
しかし、素晴らしい演奏を聴いていると、その差を感じたこともいつの間にか忘れていました。
チェンバロの音を心行くまで楽しむには、サロンのような、100人も入ったら狭く感じられるような場所で聴けたらいいのですが……
でも、こんな素敵なコンサートを聴けるのがたった552人だなんて既に勿体ないのに、ましてや100人なんて言ったらバチが当たりそうです。
出演:大塚直哉、鈴木優人、曽根麻矢子、渡邊順生、
チェンバロ・フェスティバル・アンサンブル
4人のチェンバリストは、全2回の公演で、1台から2曲、2台と3台から3曲、4台1曲の計6曲を弾きます。 これはかなり大変なことです。
でも、チェンバロ・フェスティバル・アンサンブルのメンバーは全曲弾くのだから、こちらも相当大変です。
3台のチェンバロのための協奏曲 第1番 二短調 BWV1063
静寂な空間を突き破る冒頭の強烈なユニゾンは正に1曲目を飾るに相応しい作品、この1楽章はかなりお気に入りです。
第1チェンバロが幅を利かせているので、1台の協奏曲に似た雰囲気もあるのですが、3台でのやり取りや3台のユニゾンもあるため、1台の魅力と複数台の魅力を両方味わうことが出来ます。
一説には、第1チェンバロをバッハ本人が、第2チェンバロと第3チェンバロをバッハの息子(も苗字はバッハですが)に弾かせるためにこのようなアレンジになったと言われています。
チェンバロ協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1053
れいね先生の師匠でもある渡邊順生先生のソロです。 音にとても深みがあり、重厚な響きに感動しました。
バッハの作品は短調を好んで聴いていますが、荘厳な長調の演奏を聴くと、長調の曲もお気に入りリストに加えたくなります。
渡邊先生、途中、楽譜をめくったものの前のページに戻ってしまい、めくり直していたところがありました。
ページが戻ったら頭が真っ白になりそうなのに、全く動じていません。何事もなかったというより、小鳥でも遊びに来たかのような物腰で、素晴らしい演奏と同じくらい感動してしまいました。
そういえばこの公演では出演者はみなさん楽譜を使用していますが、譜めくりの人はいないですね。
物販コーナーでは、渡邊先生のゴルトベルク変奏曲のCDが売ってました。14のカノンには、れいね先生も参加しています。
J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲(Bach: Goldberg Variations)
- アーティスト: 渡邊順生,J.S.バッハ,Yoshio Watanabe
- 出版社/メーカー: ALM RECORDS
- 発売日: 2009/11/07
- メディア: CD
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チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052
花と言えば桜、チェンバロ協奏曲と言えばバッハの第1番、名曲中の名曲です。
曽根麻矢子さんは装飾音の掛け方が華やかに艶やかで、それなのに柔らかさも感じます。 やっぱり装飾音はチェンバロの醍醐味ですね。
あと素敵だったのが曽根さんの衣装!
クラシックコンサートは所謂ドレスの方が多いですが、曽根さんの服はワンピースとして普段から着れそうな、それでいてシースルーで舞台映えもして、とても情緒がありました。
2台のチェンバロのための協奏曲 第3番 ハ短調 BWV1062
休憩を挟んで、ここから後半戦になります。後半の1曲目はBWV1062です。
楽譜をめくるタイミングから、私たちが使用したのと同じ楽譜のような気がします。
薫子さんに話すと、
「そうだと思います。先程チラッと表紙が見えました」とのこと。
次にあの楽譜を見るときに、何だか武者震いしそうです。
第1楽章、今までに聴いた中で最速のテンポの1楽章でした。改めて聴いてみると重たい曲なので、重くなり過ぎないようにもうちょっと速くできるといいなと思います。このテンポは無理ですが。
第2楽章、楽譜にはない装飾がタップリで、かなり華やかです。アンダンテでちょっと間延びするとは思っていたので、自分で弾く時ももっと自由に遊べるとよい気がします。
第3楽章 アレグロアッサイ、第1楽章が速かったので、どれだけ速いのだろうと思ったら、3楽章は思っていたくらいの速さでした。よかった。
どの楽章も終わり方が格好よかったので真似したいです。終わることを強調しすぎずに、でもさりげなくアピールする感じでしょうか。終わりから2拍目に少し重みを持たせて、だからといって最後の音は延ばしすぎない。
1楽章、この演奏は速くない方かな。私はこの曲は3楽章が最も好きです♪( ´▽`)
ほえー。聴き終わったら、1062を演奏した気分です。 他の曲よりパワーを使い、若干抜け殻になりました。
でも、むしろ抜け殻になってからの方が、自然に音楽に身を委ねることが出来ていたかもしれません。
全7曲なので、あと3曲ありますが・・・もう一度だけ続きます(^^;; → その3
thanks for coming by.
written by coquemomo