チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

こけもも meets 足で譜めくりできる未来の楽譜 GVIDO (グイド)

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チェンバリストの夢と言っても過言ではありません。

足でめくれる楽譜が登場しました。

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デュオローズの相方 薫子さんが「銀座で実物を見ました」と言ってたのが1ヶ月くらい前、置いているうちに見に行きたいなと思ってはいたのです。

例によって重い腰が上がらなかったのですが、銀座のAppple Storeに行くついでに寄ることにしました。

場所は、山野楽器 銀座本店 6階 ピアノフロア。

そういえば電子チェンバロを弾かせてもらったのもここでした。 色々展示してくれる良いお店ですー。

GVIDO は電子ペーパーです。 AmazonKindleとかと同じ仕組みです。 液晶じゃないので、表示がとってもキレイで、目に優しい。

私はKindleは使ったことがないのですが、昔、ソニー電子書籍リーダー Reader PRS-T2を持っていました。 その頃から電子ペーパーは見やすかったので、見る前から信頼感がありましたが、実物を見てみると、やっぱり美しいです。

ちょっと見とれてしまいます。 液晶では感じることの出来ない佇まいです。

でも、Readerはあんまり使わないまま手離したような…

存在すらすっかり忘れていましたが、何が原因で使わなくなってしまったのでしたっけ。えーと、第一印象はとても気に入ってて・・・そうです、不満は、ページめくり。

電子ペーパーは一度表示させると、表示させ続けることには電力を消費しない優れものですが、その表示までにちょっと時間が掛かります。 これになかなか馴染めなかったのです。

ほんの数秒、もしかしたら1秒も掛かっていなかったかもしれません。 それでも、紙の本を読むときにはなかったストレスがページをめくるたびにおとずれました。

でも、GVIDO は楽譜だし、そこは改善されているのでは。

期待して、画面の端にあるタッチスイッチに触れてみると、スムースに次のページが表示されます。

早い!

このくらい早ければ、きっとReaderも使っただろうに。

技術が進歩したのか、楽譜という性質上、ハイスペックなものが積まれているのか、今の電子書籍市場を知らないので何とも言えません。

とにかくこの速さなら、問題なしです。

先ほどは勧められるままタッチスイッチでページをめくりましたが、フットスイッチを試さなくては私の使命が果たせません。

ピアノと違ってペダルがないので、チェンバロ弾きの足は空いてます。更にはペダルがないということは指で押し続けなければ音を持続させられないので、足で譜めくりって理想的です。

恐る恐る踏んでみます。

おーー、めくれる!

踏み心地もいいし、踏んだだけでページが進むなんて 神業です。

勢い余って踏みまくって、あっという間に最終ページにたどり着いてしまいました。

そんなことしたら演奏出来なくなってしまうので、実際には踏みまくる場面はないのですが、どんどん踏みたくなるくらい心地よいです。

楽譜はGVIDOストアで最適化されたものを購入出来るそうです。曲単位の購入で、山野楽器の方によると1曲300円くらいとのことですが、ストアの開店は12月になるとのことで、正確には確認できませんでした。

例えばバッハの平均律第1巻のような感じでまとまって安くなるようになっているといいですね。

または、PDFファイルを自分で用意すれば、その取り込みも可能です。

付属のスタイラスペンでの書き込みも快適だし、もう紙の楽譜、いらないじゃないですか。

と思ったのも束の間。

肝心なお値段は、

18万円也。

ピンキリとは言え、紙の楽譜のリーズナブルさが際立ちます。

しかも個人的には何よりもの目玉と思ったフットスイッチは別売で3万円。

20万円を超えてきました。

一生分の楽譜を買ってお釣りがくる気がします。

楽譜って意外と高いので、1冊3000円の楽譜だと、70冊も買えないですが、今持っててまだやってないのもあるし、そこまで楽譜にお金を掛けることを全く考えたことがありませんでした。

古今東西のあらゆる楽譜が蒐集されたライブラリーが完備され、そこを自由に使えるのであれば、清水の舞台から飛び降りる覚悟も出来るかもしれませんが、マイナーな曲をスキャンしている自分が目に浮かびます。

何にせよ物は本当に上質でいいものなので、お金に余裕のある方で紙の楽譜に拘りがなければ、絶対オススメします。

私ですか? GVIDO の開発費が回収されて、廉価版が発表になった段階で検討したいと思います。

しかし、このニッチな商品は大量生産にならないでしょうから、価格設定は高めのままいく可能性も大いにあるわけで・・・

前世で悪いことをしたのか、まだまだ譜めくり地獄から解放されそうにありません。

何を償えば、赦してくれますか?


thanks for coming by.
written by coquemomo