チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

【2018/03 おさらい会+お茶会@及川邸チェンバロルーム】

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先日、れいね先生のご自宅でおさらい会がありました。

ここのところ発表会と隔年ごとに行われています。

最近では、発表会を聴きに行きたい、と言ってくださる方が増えていてとても有り難い反面、緊張してしまうのも事実。

一方、おさらい会は発表会と違って弾き直しOKで、お客様も少ないので、緊張が少し和らぎます。しかもお茶会が付いてくるので、かなり幸せなイベントです。

発表会の方は全体の打ち上げや反省会はあったりなかったりですが、どちらにしても個人的にご褒美のスイーツは欠かしていないので、その辺りをツッコまれると実は大差がないような気もしてまいります。

さて、今年のおさらい会は、先生の娘さんを始め、ちびっ子の部も充実してきました。

初めから人前が苦手な子、少しずつ緊張を覚え、それと向かい合っている子、ピアノとチェンバロで同じ曲を弾き分けていた子(←同じ曲を両方で弾くって意外と大変なんです!)、小さな子って純真で、普段の世界では見落としがちなことに気が付かされます。

さらに、大人の部では、お子さまとの連弾のためにピアノを始めたのに子どもさんだけやめてしまわれたという方も。 色んなきっかけで始めて、続けてる方がいて、とてもパワーをもらいました。

私の今回のセットリストはこちら。

My Set List

(solo)
F.クープランクラヴサン曲集 第3巻より
煉獄の魂(第13オルドル)
騒々しさ(第18オルドル)
F.Couperin : Pieces de Clavecin, 3e livre
l'ame-en peine (13e ordre)
le turbulent (18e ordre)

(duo Rose)
バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲 第1番 ハ短調 BWV 1060 第1楽章、第3楽章
J.S.Bach : Konzert fur zwei Cembali, Streicher und Basso Continuo c-moll, BWV1060

バッハの2台はBWV1060。前回の1062は3楽章だけでしたが、今回は1楽章と3楽章を弾くことにしました。

去年の東急ジルベスターコンサートでこの曲のバイオリンとオーボエのヴァージョンが演奏されてたのですが、2楽章をカットして、1楽章と3楽章でした。

2楽章はゆっくりで1と3は早いので、何となく1と3だけ続けて弾くのはダメかなと思ってたのですが、それもありなんだってなって、ちょっと目から鱗でした。

(こう書くとまるで見に行ったみたいですが、テレビで見ただけです(^^; 一度オーチャードホールで新年を迎えてみたいものですが、チケットのお値段的に敷居が高いのです。)

そんなわけで、この1と3の組み合わせをデュオローズはジルベスターと呼んでいます。

「全楽章通す? ジルベスターでいく?」

こういう符牒が結構楽しかったりします。

ソロはクープランから2曲弾きました。

去年の成果ということであれば、発表会の後はラモーとスカルラッティを練習していたのですが、年明けにチェンバロの日のクープラン リレーコンサートに参加することを決めて、クープランを始めてしまったので、ここでもクープランをやることにしました。 こういう自由度はおさらい会ならではです。

『le turbulent』は「騒がしさ」「騒々しさ」と訳されているようですが、「騒がしい人」かなと私は思っています。

もっと言ってしまうと、「騒がしい」というより悪ふざけが好きな、やんちゃ坊主のような天使やフェアリーでもよいかなと考えています(※注 思い込みです)。

私の妄想はさておき、曲のタイトルからチェンバロではもっとも賑やかな3列(8+8+4)の弦を使って弾くつもりでレッスンのときに先生に見てもらいました。

音の強弱がつかないチェンバロにとって、どの弦で弾くかを考えるのは表現の重要な一部です。

3列で弾いている途中で、れいね先生が

「8・8・4だとちょっとうるさい気がするので、8・4でやってみましょう」

と言って、上鍵盤の8フィートの連動を外しました。

高音の4フィートを使うとなると何となく豪華な8+8+4しか考えていなかったのですが、8+4の響きに新たな世界の広がりを感じます。

この曲にはこの響きがピッタリです。

おさらい会では、まだまだ弾き慣れていない感がありありでしたので、リレーコンサートまでに、もっと仕上げていきたいと思います。

チェンバロの日は5月。おさらい会では弾かなかった曲もあるので、もっとクープランと仲良くならなくては。

本番では参加されるみなさまと共に素敵な時間を作れたらと思います。


thanks for coming by.
written by coquemomo