【2017/05 ルドゥーテの「バラ図譜」展 @そごう美術館】
久保田チェンバロ工房の久保田彰さんは、日本で有数のチェンバロ製作家です。 本物のチェンバロは勿論のこと、ミニチュアチェンバロも手がけています。以前、れいね先生の家で見せてもらいました。
チェンバロの日!のペーパークラフトチェンバロは、その久保田彰さんが型紙を製作しました。
だからとても緻密に計算されています。
それにとってもリーズナブル!!
今年は、チェンバロ(フレミッシュだと思われます)と三角形のタイプのヴァージナルの2種類でしたが、来年はイタリアンも加わる予定とのこと。楽しみです。
いくら型紙が素晴らしくても、A4サイズの紙に線が引かれたものを渡されただけでは中々作れません。 久保田チェンバロ工房の久保田みずきさんと他数名の方が一つずつ手順を教えてくれました。
まずは、折る部分にくぼみをつけておきます。後で折りやすくするための一工夫ですね。
それから、ハサミまたはカッターで切り取ります。
くぼみをつけておいたところを折って、のりしろで貼り合わせたら出来上がりです。
こう書くと簡単そうですが、細かな作業の連続でした。でも、お子さまも楽しんで作っていたので、難しいというよりは、集中力が要る感じです。
このままだと寂しいので、用意されていたマスキングテープでデコレートも出来ます。デコはみなさんかなりハマるそうで、何時間もやってしまう人もいるそうです。
薫子さんが装飾にバラのマスキングテープを選んだからでしょうか、作り方を教えてくれていた方から
「今、横浜で『ルドゥーテのバラ図譜展』をやっていて、そこにチェンバロを展示しているのですが、ご存知ですか?」
そんな話題が上がりました。
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテは、花のラフェエロ、バラのレンブラントとも呼ばれ、18世紀末から19世紀にかけて活躍したベルギーの画家です。
マリー・アントワネットに認められ、皇帝ナポレオンの妻ジョセフィーヌにも宮廷画家として起用されます。
ルドゥーテの名前を知らなくても、この写真以上に写実的で繊細なバラを見かけたことがあるかもしれません。
- 作者: ピエール=ジョセフ・ルドゥーテ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/12/14
- メディア: 大型本
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今回の横浜の展覧会では、ルドゥーテの貴重な版画169点と共に、ルドゥーテの描いた花をモチーフとして装飾した久保田さんのチェンバロも展示されているそうです。
なるほど。なぜルドゥーテ展でチェンバロ?と思いましたが、チェンバロにルドゥーテのバラが描かれているのですね。
チェンバロの日!にデュオ・ローズがバラ展にチェンバロが展示されていると聞いたら、これは縁を感ぜずにはいられません。
しかも、このチェンバロ、展示だけではなく、チェンバリストの水永牧子さんの演奏を聴くことが出来る機会が2回あります。
早速カレンダーを眺めてみました。
1回はチェンバロの日!と被っていたので、実質候補は1日です。
残念無念、そこに予定を合わせることは出来ませんでした。
とはいえ、例によって私たちの予定の合う日は1日しかなかったので、一緒に観に行けることがむしろ幸運でした。
初めての横浜の待ち合わせ、幾らでもオシャレな場所はありそうだったけれど、堅実に美術館の前(そごう横浜店6階)で落ち合いました。
このバラ図譜、意識していなかったのですが、点刻彫版による多色刷り銅版画で出来ているそうです。
この独特な質感は線ではなく点の集合体だからなのですね。
しかも、版画で刷った後からも、色をのせているそうです。
点刻→多色刷り→彩色という気の遠くなるような手間を掛け、たくさんの種類のバラを仕上げていくのだから、これは花への愛がなくてはできません。
ルドゥーテの父親は植物なんて金にならないから人物を描くように言いましたが、どうしても花を描きたかったルドゥーテはその忠告を無視して自分の信念を貫いたそうです。バラ愛ここに極まれり。
展示の順序はそのバラが生まれた時代ごとにまとまっていました。古代ギリシア・ローマからある古いバラに始まり、少しづつ時代が下ってきます。
葉っぱの形が違ったり、物凄く攻撃的な棘だったり、逆に殆ど棘がなかったり、花びらの数も5枚くらいのものから何十枚のものまであります。
中にはこれもバラなんだと思うようなものもありました。
個人的には花だけでなく蕾も描かれている作品が好きですが、咲く前の姿でバラの良し悪しを判断するのは間違っている気がします。
初めはお気に入りのバラを選ぼうと思って意気込んでみましたが、もうどれも美しいということで、細かいことは気にせず、バラ図譜を楽しもうと思い始めた頃、
何処かから音楽が聴こえてきました。
この音色は、チェンバロ!
まあ、録音ですが。
バラに見惚れていてすっかり忘れておりましたが、お待ちかね、久保田彰さんのチェンバロが展示されていました。
チェンバロだけは撮影OKです。
細かい装飾が施されています。
癒される〜⸜( ´ ꒳ ` )⸝♡︎
ここまでたくさんの花が描かれているなんて、これはかなり贅沢です。
チェンバロをタップリ堪能して、後ろ髪を引かれながら、展示の続きに戻ります。
徐々にチェンバロの音色は遠ざかり、微かになり、そして聴こえなくなりました。
デュオ・ローズ的には、全ての展示室で聴こえるように流れててもいいのにねと強く感じました。
ちなみにルドゥーテはバラ以外の花も描いており、そのうちの何点かも展示されていました。ユリとかパンジーとか、そちらもかなり素敵です。
思いがけず行くことになった展示ですが、充実した午後を過ごすことが出来ました。
おまけ
クリアファイルを買っちゃいました。
今度からデュオ・ローズのコピー譜はこちらにファイルしようと思います。
楽譜を挟んでいるクリアファイルはいつの間にか増えていて、どこに何が挟まれているかわからなくなるので、これでローズの楽譜を探すのが楽になります。 グッドアイディーア!
merci de votre visite.
ecrit par coquemomo