〜小指を使いこなす〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201611 **・゜゜
発表会の日程が決まったということで、11月はデュオローズでのレッスンを受けたかったのですが、薫子さんと私の休みが合わず、今月もソロのレッスンになりました。
と言っても、ソロ曲の出来が順調なわけでもなく、どちらかと言えば芳しくないので、むしろ好機と捉えるべきかもしれません。
レッスンに来ると必ず何か発見があります。
れいね先生がいて教えてくれるから当たり前なのですが、1人では気がつけないことがたくさんあって、これ全部出来るようになったら神の領域では(*⁰▿⁰*)と武者震いがします。
当然、神にはほど遠く、忘れてしまうことだらけで、そもそも出来ないことばかりです。
神ならぬ身にて今日最も課題に感じたのは
小指
です。
「ちょっと、そこ、もう一度弾いてもらえますか」
ああ、やっぱり。
このフレーズ、何か、思うように鳴らなくて、鍵盤を打鍵して出てくる音には、深みがありません。
れいね先生のような満ち足りた音はどこから出るのでしょう。
いつも先生は私の右に座ります。 先生が見せてくれる見本は決まって上の方の音になるので、この楽器、高音の方がいい音がするんじゃない?と疑ったこともありますが、そんなことはありません。
私に何かが足らないのです。
それを証明するかのように、連弾曲で先生が左に座ったときは、低音が美しく響きました。
鍵盤を交換しても解決はしないのです。
「指を立てられますか?」
そう言うと先生は小指の第一関節と第二関節を曲げて、コの字のように形を作りました、
あ、私の小指は定規のように伸びきっちゃっています。鍵盤の上で倒れて気を失っているようです。
棒でバチバチ叩くようにするのではなく、指の関節を使って鞭のようになれば、もう少し豊かな音になるかもしれません。
必死に真似しますが、どこか形が違います。
「あ、でも爪が鍵盤に当たっちゃ、ダメです。弾くのは指の腹で」
私の爪はちょっとおかしくて、人差し指と小指は長く、中指と薬指は短いのです。
別に願掛けで伸ばしているとかではなく、元からほんの少し小指の爪のピンクの部分が長いのです。
大した違いではないので、日常生活では何ら支障はありません。
でも、鍵盤楽器奏者としては、深爪ギリギリまで切っても長いと言うのは不利な感じがします。
だからと言って細かい個人差で出来ないと言ってしまうと、そこで全てが終わります。 ちょっと気をつければ、形は少し違っても、同じような結果が得られるはずです。
自分の身体でのベストポジションを模索します。
「小指をコントロールするのは手の平の側面の筋肉だと思うので、ここを使ってることを意識して動かしてみてください」
そういえば、小指以外の指で弾いてると段々小指が上がってきてしまうことがありますが、これも同じ原因のように思えてきました。
コの字の角を広げたり狭めたりしながら音を出してみます。
難しいです。
形に気を取られすぎて指に変な力が入ってしまっては逆効果です。
そうして、かなりの時間、小指のフォームを何度も何度も確認しながら、しっかりした音を出す訓練を繰り返しました。
一朝一夕には無理そうですが、ヒントが見えてきました。
あとは宿題にしましょう。
帰り際、ヴァージナルを見ると楽譜が置いてありました。
「てをぐにゃぐにゃしない」
もーさん(先生の娘)の楽譜に書き込みがしてあります。
美しい大人の字体だけれど、れいね先生の字ではなさそうなので、もーさんのピアノの先生が書かれたものだと思われます。
楽しそうにレッスンを受けているもーさんを思い浮かべながら、私はもう一度自分の手を見つめて、それから手が取るべき形をイメージしました。
きっと、出来るはず。
thanks for coming by.
written by coquemomo