チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

〜三連符と八分音符 どうやったら弾ける?〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201609 **・゜゜

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私はアクション映画を観ると思わず回し蹴りをしてしまうタイプですが、デュオ・ミュゲのコンサート の後は自分がチェンバリストのような気分になっていました。

コンサートの翌日、部屋でスピネットに向かい、ラモーの楽譜を手に取りました。 ページをパラパラめくり "Les Niais de Sologne" にたどり着きました。

れいね先生がコンサートでソロに選んだラモーの曲です。

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私はこの曲を弾いたことはありません。楽譜も今日初めて見たくらいです。でも、今日は弾ける気がします、完全に思い込みですが。

大きく呼吸をして、弾き始めました。

もちろん全然うまくありません。装飾も付けてる余裕がありません。でも、何とかこのページの最後まで弾ききりました。

辛うじてどんな曲かわかるのが救いでしょうか。

辛うじてのくせに、調子に乗ってページをめくります。

“1er Double des Niais”

第1変奏ってことですよね。パッと見た音符の分量からは前のページと同じくらいの難易度を考えていたのですが、ここからが地獄への一本道。

右手はずっと三連符、左手は八分音符という世界が待っていたのです。

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わお。無理!!

れいね先生があまりに軽やかに弾いてたので、会場では全然気がつきませんでした。

でも、冷静に曲を思い出すと、確かに三連符と八分音符です。このパターン、有名なところだとドビュッシーアラベスクで登場しますね。

コツとかないのかなあ。

ちょっと頑張ってみたものの、曲の輪郭すらボヤけたままだったので、この日に弾いたあとはもう手をつけることはありませんでした。

あれから約1ヶ月、そんなこともすっかり忘れていたのですが、レッスンに来て、れいね先生の顔を見て、この曲のことを思い出しました。

思い切って聞いてみましょうか。

「このページ、全然歯が立たないのですが、どうやって練習したら弾けますか?」

「三連符の2個目と3個目の間に左手の2拍目を入れるような感じかな」

と言って、冒頭を弾いてくれました。

うんうん、確かに入ってる と思ったそばから

「逆にあんまり考えない方がいいかも」

何ですってー!

「右はこんな感じ、左はこんな感じで、あとは拍の頭を合わせる」

心地よい響きに聴き惚れてしまいます。ウットリ( ´ ∇ ` )

「急に出来るようになります」

それはウソだーー!

「私も最初出来なくて『違う!』って言われましたよ。

右手で三連符弾いてみてもらえますか」

片手なら出来ます。私が弾きだすと、2小節目に入ったところで、先生は左手の旋律を弾き始めました。

えーー!待って!! つられちゃう。

自分のリズムを崩さず、先生の音を聞きすぎず、でも重なりを微かに感じます。

「そんな感じです。頭で考えてやるのなら……」

12個の丸を書いて、それぞれ2個おき、3個おきに黒く塗ってみせてくれました。

なるほどね。音楽って数学だなと思いながら、ちょっとだけこの曲のハードルが低くなるのを感じました。

今やってるのが終わったら、この曲をやりたいなあ。

やるなら、もちろん、れいねラモーの完コピ目指して頑張ります!

あれ? ちょっと下がったハードルが棒高跳びのバーのように空高く上がってしまったような……。

いや、単なるイメージですよ。現実はそんなに甘くないのです。


merci de votre visite.
ecrit par coquemomo

about harpsichord (cembalo)▼ lepetitclavecin.hatenablog.com