チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

聖地巡礼? パリの音楽博物館 Musee de la musique でチェンバロを見よう!

f:id:lepetitclavecin:20160413004645j:plain

Bonjour, comment allez-vous ?

れいね先生オススメのMusee de la musique (ミュゼ・ドゥ・ラ・ミュズィック)は1997年にパリに出来た比較的新しい博物館です。

日本語にすると『音楽博物館』
まだ新しいのに、こんな唯一無二の名前が付いているということで、益々期待が膨らみます。

ずっと行きたかったのですが、ちょいと飛行機で12時間となると、中々都合がつきません。 先日、やっと、チェンバロを習ってから初めてのパリ行きが実現しました。

到着の次の日は特に予定がなかったので、念願のMusee de la musique へ。

早速メトロに乗って、といきたいところですが

その前に、アレを買わなくては。

次にパリに来たら買おうと思ってたもの

そう、パリのSuica、Navigo

f:id:lepetitclavecin:20160413065559j:plain

です。

買うと決めていても下調べが出来ていないのはいつものこと。 きっとメトロの窓口で売ってますよね。

"Est-ce que je peux acheter un Navigo Decouverte ici ?" (ここで、Navigo を買えますか?)

"Bien sur !" (もちろんよ)

やったね。これで1週間26.25ユーロで、パリ市内とおまけに郊外も電車にバスに乗り放題!!

さあ、メトロに乗ろうと思ったら、窓口のお姉さんに止められました。

"Attendez ! Il faut la photo avant."
(乗る前に写真を貼らなきゃダメよ)

その辺は、Navigo の前身カルト・オランジュと同じシステムなのですね。

すぐそばにある Photomaton® (フォトマトン)で写真を撮って、さっきのお姉さんのところに持っていくと、雑な感じに切ってNavigoに貼ってくれました。 ちょっ、写真の枠からはみ出てるよ!

カルト・オランジュを買った時の記憶が蘇ります。 あれもかなり適当な感じに貼られたなぁ。

ちなみに、Photomaton® は日本で言うスピード写真で撮影料金は5ユーロでした。 高くはないけど、いまどきデジカメならタダで…

べらんめえ、こちとら江戸っ子でえ(ウソです)
そんな細かいことは気にしねえぜ。

しかも、パリのエスプリを感じる素敵な証明写真があと4枚も残ってらあ。

さあ、今度こそ、行きましょう。

ビュン!

Navigo をかざすと、何と表現すればいいかよくわからない近未来な音がします。

この音はぜひパリで確認してみてください。 初めてSuicaで改札を通った時のようなワクワク感が湧き上がること間違いありません。

さて、音楽博物館はパリの19区の端の方にあります。 最寄り駅はメトロ5号線のPorte de Pantin駅。 2回乗り換えて到着しました。

私にとっては初めて降りる駅です。ドキドキ。

f:id:lepetitclavecin:20160401082321j:plain

わあ、音符!!

駅を降りるとホームの壁には五線譜が描かれていました。

Musee de la musique は Cite de la musique (シテ・ドゥ・ラ・ミュズィック)の中にあります。 Cite は都市という意味なので、ここは『音楽の都市』の最寄り駅ってことになります。

コンサートホールなどもあって、すぐ近くには Conservatoire nationale superieure de musique et danse de Paris(コンセルヴァトワール=パリ国立高等音楽・舞踏学校)があります。

さて、改札を出たものの、駅からの行き方がよくわかりません。 と、言うのも地図を見ても、まとめてシテの場所がドーンと書いてあるので、博物館の具体的な場所がどこかよくわからないのです。

3月中旬にしては寒いパリの街を少しキョロキョロ歩き回ってみました。 それらしき建物は1つしかなさそうです。 ここの入り口で聞いてみることにしましょう。

f:id:lepetitclavecin:20160401083242j:plain

“Ou est la musee de la musique ?”
(音楽博物館はどこにありますか?)

“Ici."(ここだよ)

(写真を見直すと、右側のプレートに書いてありそうな…。)

パリの荷物検査は以前より厳しくなったように思います。 美術館などでバッグの中身を見せるのは以前からでしたが、結構覗き込まれ、ボディチェックもあります。 でも、安全のためなので仕方ありません。

怪しいものは持っていませんので、程なく中に入れました。

まずはチケットを買います。大人1枚7ユーロです。

左手に進んでと言われたので見るといきなりおみやげやさん。日本だとぐるっと一周回って元のところが出口兼おみやげやさんっていうのはよくあるけど、出会い頭におみやげやさんってのは結構斬新な造りですね。

おみやげはとりあえずスルーしましょう。右手奥にクロークが見えますが預けたいものはありません。受付に進んでお姉さんにチケットを見せます。

“Vous parlez le français ?”
(フランス語は話せますか?)

“Oui, mais un peu.”
(少しなら)

“Est-ce que ca vous convient en français ?”
(これはフランス語で大丈夫?)

あ、音声ガイドを貸してくれるんですね。 別料金の設定ではないようです。

“Il n'y a aucune probleme.”
(フランス語で問題ないです)

“Vous venez d'ou ?”
(どちらからお越しですか?)

“Je viens du Japon. ”
(日本からです)

“・・・”
(・・・)

極東の島国 Japonには特に思い入れがなかったのか、そのまま操作方法の説明に入りました。

音声ガイドの操作は簡単で、使い方はすぐわかりました。

お礼して、展示フロアに入ると、

いきなりチェンバロ!!!

f:id:lepetitclavecin:20160401085014j:plain

わお。テンションマックス!!

いきなりチェンバロだなんて、チェンバロ愛されてる??

と、いうのは勘違いで、

入ってすぐのフロアは17世紀の間。 年代順に配置されると、チェンバロは当然初めの方になります。

別にチェンバロ推しって言うわけでないのです。

f:id:lepetitclavecin:20160413011916j:plain

館内を見ているうちに、先ほど渡された音声ガイドが大活躍していることに気がつきました。

よく美術館で貸してくれる音声ガイドは、書かれている番号を押すと、その絵の背景やその絵を描いた画家についての説明があるのだと思います。

この音声ガイドもその楽器にまつわる歴史を聞けるのは勿論のこと、その楽器で録音された演奏を聴くことができるのです。

どんな楽器かを知るにはビジュアルだけじゃなく、耳から入る音の情報があってこそ。

更に、館内の要所には小型のディスプレイが配置され、そこで動画を再生しています。 この動画の音声はこのガイド端末で聞くことが出来ます。

普通、音の出る解説動画を流すとなると、他のお客さんへの影響も考えて、壁で仕切るなどするものですが、この方法ですと、あちこちで解説動画を流すことが出来ますね。

音声ガイドが必ず手渡される理由がわかりました。

あとは、点字が用意されているのも楽器の博物館ならではでしょうか。

f:id:lepetitclavecin:20160406010351j:plain

楽器の形状や演奏方法も指で触れてわかるようになっています。

次のフロアは18世紀。

18世紀と言えば豪華なフレンチチェンバロの時代。 華やかな楽器が展示されています。

f:id:lepetitclavecin:20160402014717j:plain

こんな煌びやかな楽器が似合うのは、やっぱりマリー・アントワネット

f:id:lepetitclavecin:20160402014724j:plain

さすが、フランス。ラモーがピックアップされています。

そして、18世紀の後半、ピアノが台頭してきます。 いわゆるフォルテピアノです。 でもここでは Piano a queue(グランドピアノ)と書かれていただけで、特にモダンピアノとの区別はされていませんでした。

f:id:lepetitclavecin:20160407020840j:plain

音の強弱がつくもの同士だからか、何故かクラヴィコードも同じあたりに置いてありました。

この18世紀のフロアにはステージがあります。 毎日ここでミニコンサートをやっているようです。

この日はクラリネット奏者が、クラリネットの他に古楽のリコーダーなども色々演奏していました。 また、演奏だけでなく管楽器の歴史もお話されていました。ちょっとした音楽史の講義みたいですね。

後ろのチェンバロらしきものが気になったのですが、残念ながらこちらが演奏されることはありませんでした。 このコンサートは数日で違うものに変わるようなので、いつかこの楽器の音色と出会える日が来るかもしれません。

次のフロアは19世紀。音楽で言うとロマン派の時代です。

チェンバロも終わっちゃたし、長いこと演奏を聴いていたのもあって、このフロアは軽めに流しました。

なので、写真も流しました。テヘペロ (・ω≦)

そして20世紀のフロアです。

そこには、ちょっと眼が覚めるようなものが置いてありました。

まず、テルミンがきて、

f:id:lepetitclavecin:20160401235340j:plain

オンド・マルトノ

f:id:lepetitclavecin:20160401235349j:plain

去年オンドについて少し学んだので、何だか感慨深いです。 原田さんが演奏した楽器とは少し雰囲気が違います。

その先には録音ブースのような場所にミキサーが展示されていて、現在に繋がります。

音楽の時間旅行はここでおしまい。

平日の昼間だったせいか、混み過ぎず、かといって誰もいないわけでもなく、居心地のよい空間でした。

この日比較的多かった来館者は、小学生の課外授業のような少人数の団体でした。

f:id:lepetitclavecin:20160412225905j:plain

子供たちはフロアに直に座って先生の話を聞いています。 質問したり、ふざけたり、楽しそうでした。 私も子供の頃にこういう体験をしたかったなあ。

この博物館には、鍵盤楽器の他にヴァイオリンやフルートなどたくさんの楽器が展示されています。 メトロノームなど楽器周辺の小物や世界の民族楽器もあります。 チェンバロ以外にも装飾に凝った楽器が色々と置いてあり、音を鳴らす前から芸術作品です。

ぜひ、パリを訪れた際は立ち寄ってみてください。

MUSEE DE LA MUSIQUE
221 avenue Jean Jaures 75019 Paris
Metro : Porte de Pantin
休館 : 月曜

次回のチェンバロの果実♪もパリ編をお届け予定です。

フランス語のアクサン等につきましては、文字化け防止のため省略しています。


merci de votre visite.
ecrit par coquemomo