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チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

みんな気になるチェンバロの値段の話

チェンバロ(全般) チェンバロという楽器について

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あけましておめでとうございます♪( ´▽`)

……と言うのも憚れる時期になってしまいましたが、
今年最初の更新です。

1月ももう終わりですね。 暖冬で冬物が売れないと嘆いていたところから一転、急に寒くなりました。

長崎市では観測史上最多の16センチの積雪、奄美大島では115年ぶりの降雪、こけももさんも寒さによるのど風邪を引く(今シーズン二度目ですが…)など寒い話題でもちきりです。

そんな大寒波にちなんで(?)
今日は懐が凍えるチェンバロの値段の話を。

ストーブに火を灯して、お付き合いくださいませ。

チェンバロがどんなものかわかってもらえると次に気になるのが、

「幾らぐらいするものなの?」

結構この質問は多いんです。

何でもそうかもしれませんが、楽器の値段も上は天井知らずです。

高い楽器と言えば、ヴァイオリンのストラディバリウス(ストラド)が有名ですね。 ストラドは、アントニオ・ストラディバリさんが製作したヴァイオリンのこと。 安くても数千万円、億を下らないものもたくさんあります。

ストラディバリが生きたのは17世紀から18世紀、この時期はチェンバロの最盛期と重なります。

では、チェンバロもストラドのような名器がたくさんあるかって言うと、残念ながらそうではありません。 ピアノの台頭と共に廃れてしまったチェンバロはそれほど数が残っていません。

大きいし邪魔だし要らないし、となれば処分されてしまいます。

きっと当時の良家の姫君も

「さっさとピアノをよこしなさい。 チェンバロなんか燃やしておしまい。」

と、言ったことでしょう。

ああ、もったいない。

美術館や博物館に残っている17〜18世紀のチェンバロは、装飾も華やかで美術品としての価値も高いですが、 市場に出回るものでないため、価格をつけることにあまり意味はないでしょう。

と・こ・ろ・で、自動車って幾らくらいしますか?

何を突然と言われてしまいそうですが、そう言わずに。

新車で軽自動車クラスだと100万円、普通のセダンなら300万円くらいが基準でしょうか。

それより安くてリーズナブルなのももちろんあります。

高機能高性能だったり、ラグジュアリーなソファだったり、優れたデザインだったりと、オプションがつくことによって、どんどん値段は上がっていきます。

新しいものは高いし、中古市場も充実していて、外車は総じて高いですね。

では次に、ピアノって幾らくらいでしょうか?

かなりザックリ言うなら、ヤマハやカワイなど国産のアップライトピアノで100万円くらい、グランドピアノで300万円くらいかと思います。

スタインウェイやベヒシュタインなど海外メーカーのものだともっと高くなります。

でも、じゃあ100万円ないとピアノを始められないの?って言うと、そんなことはありません。

安価なモデルを探せば70万円台でもありますし、中古市場も活気があります。

自動車はピアノより陳腐化が早く、買い替えの頻度が高いですが、 同じくらいの感覚で捉えることが出来そうです。

では、チェンバロの金額ですが、幾らくらいするかって言うと、小型のもので100万円くらい、大型のものだと300万円くらいを目安にするといいかなと思います。

あれ? また同じような数字になってしまいました。 覚えやすくてラッキー。

もう少しチェンバロについて見ていきましょう。

小型チェンバロと言うと、スピネットやヴァージナル。

◆ スピネット f:id:lepetitclavecin:20160130135844j:plain https://fr.wikipedia.org/wiki/Épinette_(instrument_de_musique)#/media/File:Epinette_Rouaud.JPG  © 2005 Rouaud

◆ ヴァージナル f:id:lepetitclavecin:20160130135957j:plain https://fr.wikipedia.org/wiki/Clavecin#/media/File:Virginal.jpg

アップライトピアノは壁と平行に弦を張ることで省スペース化を図っていますが、スピネットやヴァージナルは普通のチェンバロと同じように床に対して平行に弦を張ります。

でも、鍵盤に対してまっすぐ張るのではなく、斜めに張ることによって小型化を実現しています。 弦の本数は、鍵盤の数と同じで、大体40〜60本くらいです。予算は100万円を見込んでください。

次に一段チェンバロになると、グランドピアノのような形、言い換えると一般的なチェンバロの形になります。 通常一段チェンバロには一つの鍵盤に二本の弦が張ってあります。 これを二列といいます。

レジスターを切り替えて、一本だけ鳴らしたり、二本同時に鳴らしたりできます。 鍵盤は50〜60鍵くらいなので、弦の本数は100本〜120本になります。 このクラスの楽器を買うときは200万円を目安にするとよいと思います。

そして、二段チェンバロ。 一般的にチェンバロと言って思い浮かべるのはこれですね。

上鍵盤には1つのキーに1つの弦、下鍵盤には2つの弦が割り当てられています。 また、下鍵盤を鳴らすと同時に上鍵盤の弦を鳴らすことの出来るカプラー装置がついていて、3つの弦を同時に鳴らすことも出来ます。

鍵盤は60×2で120個くらい、弦は60×3で180本くらいになります。ここまでくると300万円は用意しなくてはなりません。

大雑把な説明ですが、弦が増えると値段が上がるということがわかります。

受注生産が主のチェンバロはオプションも色々。 オプションをつければつけるほど当然値段が跳ね上がります。

響板に花や鳥を描いてもらったり、屋根の内側に風景を描いたりするのもオプションの一例です。 鍵盤の白黒反転もこう見えてオプションです。

最後に残念なことに、チェンバロを中古で買うのはなかなか困難です。 絶対数が少ないので仕方ないのですが、時々出てもあっという間に買い手が決まってしまいます。

ちなみに新品がいいかどうかっていうのはなかなか難しいところです。

弾き込むことによって楽器が安定してきますので、作り立ての時点では思うように鳴らなかったりします。 もちろんそれを育てていく楽しみもあります。

また、例えば「あれと同じもの」って頼んでも全く同じにならないのが楽器。 でも、その個性がまた魅力なのかもしれません。


thanks for coming by.
written by coquemomo

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