チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

〜通奏低音 ふたつめの和音〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201511 **・゜゜

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つい、練習が後回しになりがちな通奏低音

このままフェードアウトもありかなとは思ったのですが、少しだけ復習したので、見てもらいました。 でも、本当に少ししかやってないので、もう全然出来る気がしません。

そのせいでしょうか。先生は、なかなか進まない私に痺れを切らしたみたい。

「じゃあ、今日は6の和音を見ていきましょう」

新しいことなんて無理ーーー。

「まだ3・5の和音が、2歩進んで3歩下がった状態なんですが…」

「6の練習は6だけってわけじゃなくて、5も出てくるから大丈夫 !」

実際、6だけの曲っていうのはないでしょうが、5と6と絶対混乱してしまう気がします。

そう思ったものの、5と6の和音の混乱もさることながら、禁止のルールという枷があることがわかりました。

では、6の和音を見ていきましょう!

「通奏低音って何?」って方は前回の記事を先にご覧くださいませ → ♪

ふたつめの和音

ふたつめに登場する和音は6の和音です。

「6の和音は、バスの音(低音)に対して、3と6を重ねます。バスがドならミとラになります」

ふむふむ。

もし、低音がレならファとシ、
低音がミならソとドってことですね。

前回の和音が『低音+3+5』だったのに対して、 今回は『低音+3+6』なので上の音が違うだけ。 でも、響きはかなり違います。

「それから、バスの音と同じ音を上に重ねてしまうとあんまりきれいな音にならないので、この音を重ねるのは避けたいんです」

えっ?

「バスがドだったら、その上に更にドは重ねたくないので、代わりに何を足すかっていうと、この場合はミ」

えっ??

「ド:ミラミ

にすると、美しい響きになります。このポジションはよく使います」

脳トレ・レベル2〜

前回と同じような楽譜で見ていきましょう。

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今回はひとつめとふたつめに6と書いてあります。 6の和音は3と6なので、3と6を書いてもよいのですが、前回と同様に省エネです。 3はわかるよねってことで、6だけ書きます。

ひとつめはバスがミだから、ミソドって重ねたいけど、それは避けたいってさっき教わりました。
ここは、ミ:ドソド ってことかな。

で、次がファだから…

ファ:レラレ かな。

「そのルールで行くと、次も

ファ:レラレ

でいきたいのですが、

『ド→レ』というオクターヴの進行が出来ちゃうので、それは禁止事項なんです。

だから、それを避けるために、ここは致し方なく、バスの音を重ねます。

ファ:ファラレ」

えええ???

「さっきバスの音を重ねないって言いましたが、それは禁止ではありません。 ただ、あまりきれいではない。 というわけで、この響きは △

ファァラレ

こっちは ○

ミ:ドソド

オクターヴ進行は規則として ×

ミ:
   
ファ:

そう言えば、テキストに『避けねばならない連続8度』って書いてあったのですが、こういうことを言ってたのですね。

読んでも全く意味がわからなかったので、見なかったことにしていました。 オクターヴで同じ動きをしちゃいけないって書いてくれればいいのに。

「最近の曲だと全然無視して作られているのもありますけど、基本的には禁止なので、その響きが聴こえると すごく気になります。そういう刷り込みをされているので」

聴いてみると、美しい感じがしないのは確かです。 プロの本音はどうなのでしょうか。

「先生は、もし禁止じゃないって言われたとしたら、どう思いますか?」

「うーん…それでもやはり “気持ち悪い” ですね。 きっときちんと分析すれば、その “気持ち悪さ” を数値で示すことができるのではないかと思います」

何かしっくりこない流れになるので、聴く分にはそのルールの良さを感じることができるのだけれど…自分で弾くとなると話は別です。なに、この縛り( ̄д ̄;)

『6が続くとオクターヴ進行を避けなくてはいけない』という縛りが登場して、脳トレもレベルアップしてしまいました。

最後に、前出の楽譜の回答例をあげておきます。

(左手:右手)
ミ:ドソド
ファ:ファラレ
ソ:レソシ
ド:ミソド

さて、私の通奏低音への適応能力の低さに今後の展開がイヤな予感しかしませんが、2歩進んで30歩下がる予感すらしますが、こんな私でも続ければきっと何か発見があるのではと思います。

にほんでいちばんやさしい通奏低音のあれこれ。気長にお待ちいただければ嬉しいです。


thanks for coming by.
written by coquemomo

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