チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

チェンバロ レッスン.:*・゜゜201509 **・゜゜(はじめての通奏低音)

趣味はチェンバロですって言うと、詳しい方から稀に

通奏低音とかやるのですか?」

と聞かれたりします。

バロック音楽に触れると必ず出会う通奏低音ということば。 奏でるし、音だし、音楽用語かなってことは誰もが思うところですが・・・

でも一体 何なの?

“ つうそう‐ていおん【通奏低音】 ”

1 《(イタリア)basso continuo/(ドイツ)Generalbaß》バロック音楽の演奏で、チェンバロなどの奏者が低音旋律と和音を示す数字に基づいて即興的に和音を補いながら伴奏部を弾くこと。また、その低音部。数字付き低音。バッソコンティヌオ。ゲネラルバス。

2 常に底流としてある、考えや主張のたとえ。
「平和への願いがこの本の―となっている」

出典:デジタル大辞泉

とりあえず、古い時代の伴奏ってことはわかりました。

通奏低音と言うことばに出会うに連れ、 未熟ながらもチェンバロ弾きとして 通奏低音が何なのか知っておいた方が いいような気がしてきました。

先生に雑談でそんな話をしてみたら

「ちょっとやってみます?」

突然のことに驚くこけももさん。

目を見開いたまま、出てきたことばは、

「平和への願いがこの私の通奏低音となっている」

「昔、コードで挫折したんですが・・・」

「大丈夫。コードより簡単だから」

ウソだ!!!と思ったものの せっかくの提案を断る理由はありません。

こうして通奏低音の扉が開いたとまあそういうわけです。

通奏低音の楽譜

la française

トリオのこの曲を、例えば、フルート2本とチェンバロで演奏するとします。

一番上のパートが第1フルート

二番目のパートが第2フルート

一番下が、basse continue=通奏低音のパートです。
チェンバロはここの担当ですね。

チェンバロはピアノと同じように通常両手で弾きますが、通奏低音の楽譜は左手のみです。 でも、右手は遊んでていいわけじゃないのです。

一番下のパートには、コードの記号みたいに、何やら数字が書かれていますね。 それを元に右手は和音を演奏することになっています。

達人の域に到達すれば、右手は鮮やかな即興演奏を楽しむことができます。 まるでジャズのようです。

でも私は「この数字はどの音を弾いたらいいの??」状態ですので、 数字→和音 の変換を即座に出来るように鍛えるところから始めなくてはなりません。

「こけももさん、通奏低音脳トレです」

誰か、通奏低音を練習するアプリ、出してくれないかな。

需要ない?

全国の未熟なチェンバリストたちがこぞって買い求める人気アプリになる予定なんだけど・・・。

数字の読み方

通奏低音の基準は楽譜に書かれた低音です。
いつも一番低い音だけが楽譜に書かれています。
出てくる数字も低音から数えます。

低音がドなら、1はレ、2はミ、となります。
もし、低音がレになれば、1はミ、2はファとなります。
世界は低音を中心に回っています。

ひとつめの和音

初めに覚える基本の和音は『低音+3+5』です。
3度と5度 と言った方がわかりやすいかもしれません。

低音がドならミとソになります。
低音がレならファとラです。

ところで先ほどの楽譜、数字が何も書いてないところがあります。 何も書いてないときは、この3と5の和音です。 いちばんよく出てくるから書かない。省エネ!

脳トレ・入門レベル〜

etude

こちらは、私が練習している楽譜です。 左手だけでなく、右手用にひとつ音が書いてあります。

左手と数字だけでは難しいので、ヒント付きって感じでしょうか。

左手の低音と右手のヒントを元に、間に音を埋めてみましょう。

数字がないので、全部3と5の和音です。

答えは・・・

(左手:右手)
ラ:ミラド
ファ:ファラド
ソ:レソシ
ド:ミソド

となります。

後は、ひたすら練習あるのみ!

明日には忘れてそうです・・・。

「いいんです。通奏低音は3歩進んで2歩下がるくらいで丁度いいです。 でも、ときにこれをすぐに出来てしまう人がたまにいて、羨ましいですね」

私が365歩のマーチ的な出来ない人間であることは重々承知しておりましたが、 先生からそんなことばが出ようとは。

「書くのも練習になるので、分からなければ書いてみてくださいね」

早くも挫折しそうな通奏低音ですが、 また新しい知識が身についたら続きをお伝えしたいと思います。

ふたつめのハーモニーでお会いしましょう、きっと!

おまけ コードとの違い

コードも挫折した、通奏低音も始めたばかりですが、今日の部分がコードだとどうなるか見てみましょう。

コードでは一番下の音はルート(根音)と呼びます。

まずはこのルートを記号にします。
ドはCです。

次にこのルートを中心に記号で和音を表現します。
ドミソはメジャー、記号にするとMまたは△です。
でも、基本の和音なので通常は書きません。

なのでドミソはC(またはCM、C△)。
『Cメジャー』と呼びます。
『コマーシャル』でも『Cさん、かっけー』でもありません。

ファラドはF。 ソシレはG。

でも、レファラはDではなく、Dmなんです。

Dはレファ#ラ、ことばにするとややこしいですね。

しかもこれだと通奏低音の方が簡単そうに見えてしまう。

私にはどっちも同じくらい激ムズです。クシュン。

ここから先はまた改めて。


thanks for coming by.
written by coquemomo

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