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チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

細くて、軽くて、白黒反転!! チェンバロの鍵盤は、かよわい女子の救世主!!

スピネットを弾くマリー・アントワネット

かよわい女子代表のマリーさん (13) 

チェンバロの鍵盤に触れてみたことがありますか?

今日は、チェンバロの鍵盤の世界を覗いていきます。

1. 鍵盤の幅はちょっと細め

チェンバロはピアノと違って統一規格がありません。

統一はされていないものの、チェンバロの鍵盤の幅は
ピアノより概ね細めです。

ピアノもその長い歴史の中では、鍵盤の幅に
バリエーションがありました。
でも、時代と共に統一化が図られて今に至ります。

チェンバロは一度死んで、生き返っています。
チェンバロ製作の伝統は途絶えて、美術館や博物館に
残されたチェンバロを元に復元されました。

残されたチェンバロは古いものだから、
鍵盤の幅がそれぞれ違っていました。

チェンバロの復興をしようとした人たちは
これをこのまま良しとして、それぞれの味を
大切に特徴と受け止めました。

それぞれの地域や時代で、それぞれの傾向。

結果として、チェンバロには統一規格がないまま
となりました。

だから、色んな幅があって、始めて弾く楽器だと
調子が狂うかもしれません。

不便じゃないかって?

いつもと違う楽器を弾くピアノの発表会。
あれっとなった人も少なくないはず。

フルートを買うときに何本も試し弾きをして
個性の違いに驚いた人もいるでしょう。

楽器って、その楽器は世界にたったひとつ。
同じものなんてない。

どうせそれぞれ違うなら、別に幅が多少色々だって、
そんなに気にすることもありません。

細いと嬉しいことと言えば、

今まで指がつりそうだったオクターブ以上の和音が
少し楽になること。

手の小さな女子には朗報です!

でも、必ずしも細いことが正義ではありません。
細くてちょっと弾きづらいという男性の方もいます。

チェンバロの中でも、より鍵盤が細いのは、18世紀
フレンチ様式。チェンバロの全盛期の楽器と言って
よいでしょう。

細くなった理由には諸説ありますが、一説によれば、
楽器のサイズを変えずに鍵盤の数を増やすためと
言われています。全盛期の楽器が細い理由としては、
なかなか有力な説だと思われます。

ちなみに鍵盤の奥行きも全体的に少し短めです。

2. 軽い。そして、爪弾く瞬間

さあ、チェンバロを弾いてみましょう。

どうですか?

ピアノをよく知っている人は同じ感想を持ちます。

そう、とても軽いんです。

ピアノも最初は軽かったんですが、時代と共に
段々重くなっていきました。

大きな音を出すために。

音の強弱をつけられるピアノは
フォルティッシモがよりフォルティッシモであるほど
ピアニッシモとの差がついて、豊かになる。

じゃあ、チェンバロはダメな子?

大きな音という点では、勝負にならないのですが、

軽やかなコロコロ転がるような音は
チェンバロならでは。

どちらが偉いとか考えるのは野暮ってものです。

それぞれの魅力を楽しめばいいだけ。

鍵盤の重さの違いは、腕の筋力にもつながります。
ピアノからチェンバロに専攻を変えると
腕の筋肉が落ちるそうです。

もちろん、私はそんな経験はしたことがありません。
そりゃそうです。元々、腕に筋肉がつくほど
ピアノを弾いていません。

それでも、久々にピアノを弾くと、
鍵盤 こんなに重かったのか、と愕然とします。

チェンバロの響きは、透明感のあるクリアな世界。

鍵盤の上をコロコロ転がるように駆け巡りましょう。

止まることを知らない妖精がクルクル飛び回るように。

さて、今度はチェンバロの鍵盤をゆっくり押さえてみましょう。

小さな抵抗が感じられるところがあります。
プレクトラムが弦を弾く瞬間です。

この爪弾く感じが撥弦楽器

鍵盤が軽くても、この爪弾く瞬間には小さな抵抗感。
ここを粗雑にすれば、荒れた音になるし、
ここを繊細に扱えば、澄んだ音になります。

ちなみに、ピアノにも同じような感触はあります。
ピアノを音を出さないつもりでゆっくり押していくと
打弦する瞬間を感じることが出来ます。

3. おまけ 〜鍵盤の色〜

チェンバロっていうと、

ああ、黒鍵が白鍵で白鍵が黒鍵のやつだよね?

鍵盤が白黒逆のやつだよね?

そう言われることがあります。

その視覚的な記憶はおそらく正しい。
けれども、それが全てではないのです。

そういうチェンバロもあるし、
そうではないチェンバロもあります。

つまり、白黒反転のものもあるし、
反転していないものもあるということです。

鍵盤の色の歴史はまた別の機会に紐解くとしまして、
ザックリ言えば、初めの頃は今と同じ配色、
チェンバロ全盛期の頃には主流は白黒反転していて、
その後また元に戻りました。

反転した理由でよく取り上げられるのが、

マリー・アントワネット

「私の手の白さが際立つように鍵盤を黒くして」

と言った説。

マリーが言ったって言うのは
「パンがなければケーキを食べればいい」
と同じかそれ以上に作り話ですが、

王侯貴族の女性の手が白く見えるように
白鍵を黒くしたという説は可能性あります。

あと有力な説としては、金銭的な問題。

白い鍵盤の素材としてよく使われるのが象牙
一方、黒い方は黒壇。象牙の方が高価なので、
面積の広い方に黒壇を使用してコスト削減した
という説。

そして、2番目の話に戻ってしまう感じもしますが、
黒壇は軽いので、黒壇のキーがメインになっている方が
長時間弾いた時に疲れにくいという説。

理由はさておき、初めの頃は私も反転している方に
惹かれていました。

ピアノで見慣れた色と逆で何だか新鮮 ♪

テレビゲームの2Pカラーみたいでレアキャラっぽい ♪

今となっては、逆の状態に慣れてしまって、
どっちでもよくなっちゃいましたが。

目を閉じて、そっとチェンバロの鍵盤に触れてみてください。

楽しいチェンバロの時間が始まります。


thanks for coming by.
written by coquemomo

Marie Antoinette at the spinet,
(スピネットを弾くマリー・アントワネット)
by Franz Xaver Wagenschön

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