チェンバロの果実 ♪

ピアノのようなかたちをした鍵盤楽器チェンバロ。にほんでいちばんやさしいチェンバロのあれこれ。

こけもも meets 足で譜めくりできる未来の楽譜 GVIDO (グイド)

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チェンバリストの夢と言っても過言ではありません。

足でめくれる楽譜が登場しました。

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デュオローズの相方 薫子さんが「銀座で実物を見ました」と言ってたのが1ヶ月くらい前、置いているうちに見に行きたいなと思ってはいたのです。

例によって重い腰が上がらなかったのですが、銀座のAppple Storeに行くついでに寄ることにしました。

場所は、山野楽器 銀座本店 6階 ピアノフロア。

そういえば電子チェンバロを弾かせてもらったのもここでした。 色々展示してくれる良いお店ですー。

GVIDO は電子ペーパーです。 AmazonKindleとかと同じ仕組みです。 液晶じゃないので、表示がとってもキレイで、目に優しい。

私はKindleは使ったことがないのですが、昔、ソニー電子書籍リーダー Reader PRS-T2を持っていました。 その頃から電子ペーパーは見やすかったので、見る前から信頼感がありましたが、実物を見てみると、やっぱり美しいです。

ちょっと見とれてしまいます。 液晶では感じることの出来ない佇まいです。

でも、Readerはあんまり使わないまま手離したような…

存在すらすっかり忘れていましたが、何が原因で使わなくなってしまったのでしたっけ。えーと、第一印象はとても気に入ってて・・・そうです、不満は、ページめくり。

電子ペーパーは一度表示させると、表示させ続けることには電力を消費しない優れものですが、その表示までにちょっと時間が掛かります。 これになかなか馴染めなかったのです。

ほんの数秒、もしかしたら1秒も掛かっていなかったかもしれません。 それでも、紙の本を読むときにはなかったストレスがページをめくるたびにおとずれました。

でも、GVIDO は楽譜だし、そこは改善されているのでは。

期待して、画面の端にあるタッチスイッチに触れてみると、スムースに次のページが表示されます。

早い!

このくらい早ければ、きっとReaderも使っただろうに。

技術が進歩したのか、楽譜という性質上、ハイスペックなものが積まれているのか、今の電子書籍市場を知らないので何とも言えません。

とにかくこの速さなら、問題なしです。

先ほどは勧められるままタッチスイッチでページをめくりましたが、フットスイッチを試さなくては私の使命が果たせません。

ピアノと違ってペダルがないので、チェンバロ弾きの足は空いてます。更にはペダルがないということは指で押し続けなければ音を持続させられないので、足で譜めくりって理想的です。

恐る恐る踏んでみます。

おーー、めくれる!

踏み心地もいいし、踏んだだけでページが進むなんて 神業です。

勢い余って踏みまくって、あっという間に最終ページにたどり着いてしまいました。

そんなことしたら演奏出来なくなってしまうので、実際には踏みまくる場面はないのですが、どんどん踏みたくなるくらい心地よいです。

楽譜はGVIDOストアで最適化されたものを購入出来るそうです。曲単位の購入で、山野楽器の方によると1曲300円くらいとのことですが、ストアの開店は12月になるとのことで、正確には確認できませんでした。

例えばバッハの平均律第1巻のような感じでまとまって安くなるようになっているといいですね。

または、PDFファイルを自分で用意すれば、その取り込みも可能です。

付属のスタイラスペンでの書き込みも快適だし、もう紙の楽譜、いらないじゃないですか。

と思ったのも束の間。

肝心なお値段は、

18万円也。

ピンキリとは言え、紙の楽譜のリーズナブルさが際立ちます。

しかも個人的には何よりもの目玉と思ったフットスイッチは別売で3万円。

20万円を超えてきました。

一生分の楽譜を買ってお釣りがくる気がします。

楽譜って意外と高いので、1冊3000円の楽譜だと、70冊も買えないですが、今持っててまだやってないのもあるし、そこまで楽譜にお金を掛けることを全く考えたことがありませんでした。

古今東西のあらゆる楽譜が蒐集されたライブラリーが完備され、そこを自由に使えるのであれば、清水の舞台から飛び降りる覚悟も出来るかもしれませんが、マイナーな曲をスキャンしている自分が目に浮かびます。

何にせよ物は本当に上質でいいものなので、お金に余裕のある方で紙の楽譜に拘りがなければ、絶対オススメします。

私ですか? GVIDO の開発費が回収されて、廉価版が発表になった段階で検討したいと思います。

しかし、このニッチな商品は大量生産にならないでしょうから、価格設定は高めのままいく可能性も大いにあるわけで・・・

前世で悪いことをしたのか、まだまだ譜めくり地獄から解放されそうにありません。

何を償えば、赦してくれますか?


thanks for coming by.
written by coquemomo

続・チェンバロの日 〜『及川れいねコンサートレポート』を寄稿しました!〜

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古楽情報誌アントレを頂きました。

この号では「チェンバロの日!2017」のレポートが載っているのですが、僭越ながられいね先生のコンサートレポートを寄稿させていただきました。

文字数などの条件はお聞きしていたのですが、お受けしてから

「『だ・である』調でお願いします」

と、言われてアタフタしました。

えー、どうしようー、

先生のコンサートを言い切り型の文体で書くなんて。

高飛車に見えてしまうのでは。

困ったなあ。

結局、先生の信徒であることは忘れて、音楽記事ライターになりきって書くことにしました。

「こけもも先生、今回の及川さんの20世紀パリ、レポートお願いします」

「かしこまりー。チェンバロと現代音楽のマリアージュよ、かかってこい!」

音楽の記事を書いてる人のイメージが上手く湧きませんでした…。

それでも、こうした機会を得て、ブログとは違った形で先生の素敵なコンサートをお伝えすることが出来たかなと思います。

書かせていただいて良かったです。

こちらに転載することは出来ませんが、もしお読みになりましたら、是非感想などお送りくださいませ。

「読んだよ」とかでも結構です。

お待ちしています⸜( ´ ꒳ ` )⸝


merci de votre visite.
ecrit par coquemomo

【2017/05 ルドゥーテの「バラ図譜」展 @そごう美術館】

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久保田チェンバロ工房の久保田彰さんは、日本で有数のチェンバロ製作家です。 本物のチェンバロは勿論のこと、ミニチュアチェンバロも手がけています。以前、れいね先生の家で見せてもらいました。

チェンバロの日!ペーパークラフトチェンバロは、その久保田彰さんが型紙を製作しました。

だからとても緻密に計算されています。

それにとってもリーズナブル!!

今年は、チェンバロ(フレミッシュだと思われます)と三角形のタイプのヴァージナルの2種類でしたが、来年はイタリアンも加わる予定とのこと。楽しみです。

いくら型紙が素晴らしくても、A4サイズの紙に線が引かれたものを渡されただけでは中々作れません。 久保田チェンバロ工房の久保田みずきさんと他数名の方が一つずつ手順を教えてくれました。

まずは、折る部分にくぼみをつけておきます。後で折りやすくするための一工夫ですね。

それから、ハサミまたはカッターで切り取ります。

くぼみをつけておいたところを折って、のりしろで貼り合わせたら出来上がりです。

こう書くと簡単そうですが、細かな作業の連続でした。でも、お子さまも楽しんで作っていたので、難しいというよりは、集中力が要る感じです。

このままだと寂しいので、用意されていたマスキングテープでデコレートも出来ます。デコはみなさんかなりハマるそうで、何時間もやってしまう人もいるそうです。

薫子さんが装飾にバラのマスキングテープを選んだからでしょうか、作り方を教えてくれていた方から

「今、横浜で『ルドゥーテのバラ図譜展』をやっていて、そこにチェンバロを展示しているのですが、ご存知ですか?」

そんな話題が上がりました。

ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテは、花のラフェエロ、バラレンブラントとも呼ばれ、18世紀末から19世紀にかけて活躍したベルギーの画家です。

マリー・アントワネットに認められ、皇帝ナポレオンの妻ジョセフィーヌにも宮廷画家として起用されます。

ルドゥーテの名前を知らなくても、この写真以上に写実的で繊細なバラを見かけたことがあるかもしれません。

Les Roses バラ図譜 【普及版】

Les Roses バラ図譜 【普及版】

今回の横浜の展覧会では、ルドゥーテの貴重な版画169点と共に、ルドゥーテの描いた花をモチーフとして装飾した久保田さんのチェンバロも展示されているそうです。

なるほど。なぜルドゥーテ展でチェンバロ?と思いましたが、チェンバロにルドゥーテのバラが描かれているのですね。

チェンバロの日!にデュオ・ローズがバラ展にチェンバロが展示されていると聞いたら、これは縁を感ぜずにはいられません。

しかも、このチェンバロ、展示だけではなく、チェンバリストの水永牧子さんの演奏を聴くことが出来る機会が2回あります。

早速カレンダーを眺めてみました。

1回はチェンバロの日!と被っていたので、実質候補は1日です。

残念無念、そこに予定を合わせることは出来ませんでした。

とはいえ、例によって私たちの予定の合う日は1日しかなかったので、一緒に観に行けることがむしろ幸運でした。

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初めての横浜の待ち合わせ、幾らでもオシャレな場所はありそうだったけれど、堅実に美術館の前(そごう横浜店6階)で落ち合いました。

このバラ図譜、意識していなかったのですが、点刻彫版による多色刷り銅版画で出来ているそうです。

この独特な質感は線ではなく点の集合体だからなのですね。

しかも、版画で刷った後からも、色をのせているそうです。

点刻→多色刷り→彩色という気の遠くなるような手間を掛け、たくさんの種類のバラを仕上げていくのだから、これは花への愛がなくてはできません。

ルドゥーテの父親は植物なんて金にならないから人物を描くように言いましたが、どうしても花を描きたかったルドゥーテはその忠告を無視して自分の信念を貫いたそうです。バラ愛ここに極まれり。

展示の順序はそのバラが生まれた時代ごとにまとまっていました。古代ギリシア・ローマからある古いバラに始まり、少しづつ時代が下ってきます。

葉っぱの形が違ったり、物凄く攻撃的な棘だったり、逆に殆ど棘がなかったり、花びらの数も5枚くらいのものから何十枚のものまであります。

中にはこれもバラなんだと思うようなものもありました。

個人的には花だけでなく蕾も描かれている作品が好きですが、咲く前の姿でバラの良し悪しを判断するのは間違っている気がします。

初めはお気に入りのバラを選ぼうと思って意気込んでみましたが、もうどれも美しいということで、細かいことは気にせず、バラ図譜を楽しもうと思い始めた頃、

何処かから音楽が聴こえてきました。

この音色は、チェンバロ

まあ、録音ですが。

バラに見惚れていてすっかり忘れておりましたが、お待ちかね、久保田彰さんのチェンバロが展示されていました。

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チェンバロだけは撮影OKです。

細かい装飾が施されています。

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癒される〜⸜( ´ ꒳ ` )⸝♡︎

ここまでたくさんの花が描かれているなんて、これはかなり贅沢です。

チェンバロをタップリ堪能して、後ろ髪を引かれながら、展示の続きに戻ります。

徐々にチェンバロの音色は遠ざかり、微かになり、そして聴こえなくなりました。

デュオ・ローズ的には、全ての展示室で聴こえるように流れててもいいのにねと強く感じました。

ちなみにルドゥーテはバラ以外の花も描いており、そのうちの何点かも展示されていました。ユリとかパンジーとか、そちらもかなり素敵です。

思いがけず行くことになった展示ですが、充実した午後を過ごすことが出来ました。


おまけ

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クリアファイルを買っちゃいました。

今度からデュオ・ローズのコピー譜はこちらにファイルしようと思います。

楽譜を挟んでいるクリアファイルはいつの間にか増えていて、どこに何が挟まれているかわからなくなるので、これでローズの楽譜を探すのが楽になります。 グッドアイディーア!


merci de votre visite.
ecrit par coquemomo

【2017/05/14 チェンバロの日!2017 @松本記念音楽迎賓館】

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本日の舞台である松本記念音楽迎賓館は世田谷の閑静な住宅街にあります。

住宅地に音楽館を作ったのではなく、その逆で、この建物は元々松本さんのお家なのだそうです。 自宅を音楽館として開放したということですね。

自宅と言っても大邸宅なので、お庭が凄かったり、お茶室があったりします。

それもそのはず、松本さんはパイオニア創始者の松本望さんなのです。

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現在、この松本記念音楽迎賓館には、チェンバロが常設されており、日本チェンバロ協会主催のイベント「チェンバロの日!」は毎年こちらで行われています。

お屋敷に招かれた感覚が味わえるこの場所は、貴族の時代と共にあったチェンバロと相性がよいように思います。

チェンバロがあるだけではなく建物も豪勢ということで、ずっと気にはなっていたものの、駅から遠かったこともあり、億劫に思う気持ちの方が勝っていました。

ですが、今年はチェンバロの日で予定されているイベントの1つに及川れいね先生のコンサートがあるいうことで、2月のレッスンでデュオ・ローズの相方の薫子さんと一緒に行こうと話していました。

そう言えば、れいね先生のソロのコンサートって実は初めてです。

デュオだったり、トリオだったりの中で1〜2曲ソロを弾くことはあっても、ここ最近ソロコンサートはやっていないのだと思います。

これは、やっぱり行くしかないですよね。

かなり先の話だと思っていたのに、時間が過ぎるのはあっという間で、当日を迎えました。

前日は大雨で、初めてのそれも駅から遠い場所に行くのに憂鬱でしたが、当日の朝には雨はすっかり上がっていました。

だけどっ、思ったよりかーなーり涼しいです。暑くなるって予報はどこに行ってしまったのでしょう?

このイベントは2日間に渡り、先生のコンサートは2日目なので、1日目に訪れた人のことを考えれば、かなり恵まれた状況ではあるのですが、それでも電車の中で冷えていく身体は、天気予報を恨めしく思ったりもしました。

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コンサートのテーマは・・・20世紀パリ⸜( ´ ꒳ ` )⸝♡︎

19世紀の終わり、1889年のパリ万博に合わせ、エッフェル塔が建てられ、19世紀の最後の年1900年に近代オリンピックの第2回大会がパリで開催されます。 睡蓮で有名なクロード・モネを始めとする印象派が活躍したのは19世紀の終わりから20世紀初めにかけてです。

そんな時代の最先端をいき、次々と新たな息吹が生まれ出すパリではどのような音楽が展開されたのでしょう。

チェンバロという楽器としてはバッハを初め18世紀が全盛期です。今回は馴染みの少ない現代曲となり、少しとっつきにくいかなと思ったのですが、そんなことなく、むしろ素敵な曲がいっぱいでした。

20世紀のフランスのチェンバロ曲の演奏にプラスしてその時代の背景や解説があり、写真や楽譜などの資料があり、初めて聴く人のハードルを下げる工夫がされていたことが、私の曲への理解を深めてくれました。

このコンサートは、ポーランド出身の女流ピアニスト ランドフスカがパリに来るところから始まります。

ランドフスカは、チェンバロの復興に大きく貢献し、のちにはチェンバリストとして名を残すことになります。

彼女自身がアメリカに渡ってしまったあとも、ランドフスカの弟子によってチェンバロは徐々に市民権を得ていきます。

そんな時代の作曲家とその作品には、古典とはまた違うパワーとカラフルな色彩を感じます。

この日一番の大作は、中盤で弾いたプーランクの「フランス組曲」。 ピアノ曲だそうですが、16世紀を題材にしているからチェンバロにも馴染みます。その一方で普段チェンバロでは聴かない響きもあり、それもまた心地よかったです。

そうそう、2曲目のマルティヌーは、別の作品をバロック・レジーナで聴いたことがありました。 当時ブログで予習したおかげで、その名前が記憶に残っていました。

構成がしっかりして、展開が楽しめる作りになっていて、まるで20世紀パリにタイムスリップしたような気分になりました。

ところで、現代音楽には割と自由な指示が入っていることがあります。このコンサートの最後の曲、モーリス・オアナの「昼の鐘と夕べの鐘」を弾く前に「この曲では定規を使います」という補足がありました。

薫子さんと私が会場に入ったときは手元の見える席の前列はもう埋まっていたので、響板の向かいあたりに座ったのですが、定規のことを知っていたら手元側の2列目を選んだかもしれません。

そんなわけで、定規をどうやって使ったのか直接見ることは出来ませんでした。それだけが心残りです。

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シックでモダンな先生の今日の衣装もまた、20世紀パリの雰囲気にピッタリです。

* free programme (pdf)

チェンバロの日!2017
及川れいね Reine Oikawa
20世紀パリ〜古風でモダンな音楽〜


この素敵なコンサートをお伝えしたところで終わりでよいのですが、一応この話も触れておきましょう。

時計の針を巻き戻すこと5時間、れいね先生とデュオ・ローズは逆の場所に位置していました。

私たちはチェンバロを弾き、先生は私たちの演奏を聴きにきてくれました。

午後にコンサートがあるのに駆けつけてくれた先生に感謝です。

チェンバロの日には一般の人が参加出来るフリーコンサートがあります。

参加にはチェンバロの日のチケット(1日券)が必要になりますが、それ以外の費用は不要です。

チケットはれいね先生のコンサートを聴くために必要になるし、それならとデュオ・ローズはチェンバロの連弾で申し込みました。

丁度2月の発表会で弾いた曲が仕上がっていたので、そういった意味でもタイミングが良かったのかなと思います。

duo Rose’s Set List

ジャン・フランソワ・タプレ:四手のためのソナタ 第1楽章
Jean-Francois Tapray : Sonate a quatre mains, op.29 le premier mouvement

この曲、フランスものなので、心の中で、テーマは

18世紀パリ!

と思っていました。

パリの貴族のお嬢様ふたりが、仲良く1台のチェンバロを楽しむ、そんなところをイメージして演奏しました。(あくまで設定です。私の身分とか年齢へのツッコミはお受けできません。)

上手く弾けなかったり、そもそもテクニックが足りないことを再認識したり、落ち込んだ点もあったのですが、チェンバロを通じて交流する機会に恵まれ、とても楽しい時間を過ごしました。

最後に2017年のフリーコンサートについての記録を残しておこうと思います。

次は参加してみたいかもという方の参考になれば幸いです。

日時:2017/5/14(日)10時~12時
リハーサルはありません。
コンサート前に指慣らしに各組2分程度をもらうことができます。

申込期間:2017/3/15〜4/15

持ち時間 :10分以内
当初は12分でしたが、応募者多数(!)により短縮となりました。
2時間枠に、10組を超える申し込みがあったわけです。チェンバロがメジャーになる日も近いと確信しました!

楽器
後期フレンチ2段モデル
製作 クラヴサン工房アダチ
音域 FF~f3 ピッチ A415(に調律)

形態
チェンバロソロ以外→2組
チェンバロソロ→11人
※アンサンブルの人数は、鍵盤楽器+1名まで。

性別
男性→5人
女性→10人

年齢
中学生以下と思われる参加者→3人
高校生以上と思われる参加者→12人

バッハ率
バッハ→42%(5.5)
バッハ以外→58%(7.5)
1組で1になるように計算(1組で複数の作曲家を演奏した場合、1÷曲数)して百分率で表示


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フリーコンサートとれいね先生コンサートの間の時間で参加して作成したペーパークラフトチェンバロ(薫子さん作)

コンサート以外にもペーパークラフト作成やクイズなどのイベントがあるのもチェンバロの日の特徴です。

私も作りましたが、同じ型紙なのに、私のは微妙な出来なのは何故でしょう(^^;;

来年も開催予定とのことですので、興味のある方はどうぞお越しくださいませ。


merci de votre visite.
ecrit par coquemomo

〜暗譜の呪縛〜 チェンバロ レッスン.:*・゜゜201703 **・゜゜

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突然ですが、お気に入りなのに、時の流れで自分にはそぐわなくなってしまったもの、あなたならどうしますか?

売る? 捨てる? あげる?

そんなものがありまして…

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也

中学生の時に暗唱させられた芭蕉のフレーズを思わず心で呟いてみたりしていたところ、発表会で久々にチュイン島のプリンセスこと女子大生美魔女アイドル茜あいちゃんと会いました。

キュピーン!

もしかしたら、彼女なら似合うかも。

私のひらめきはすぐに現実のものとなり、チュイン島のプリンセスこと女子大生美魔女アイドル(以後略)茜あいちゃんとの合同レッスンと相成ったわけです。

快く受け入れてくれたれいね先生にも感謝です。

れいね先生の他の人へのレッスンの聴講は、デュオ・ローズの相方の薫子さんで経験済みですし、驚くことになるとは、かけらさえも考えていませんでした。

しかし、それは、私の予想の斜め上をいく衝撃的なレッスンでした。

あいちゃんは基本的に楽譜を見ません。

そのことは知っていました。 しかし、楽譜を見て暗譜して楽譜が不要になるのではなく、最初から楽譜を使わないのです。

先生が弾いてそれをあいちゃんは再現して覚えます。

恐るべき音感とリズム感です。

これぞアイドル ˚✧₊⁎❝᷀ົཽ≀ˍ̮ ❝᷀ົཽ⁎⁺˳✧༚

でも、アイドルだけでなく、和の伝統芸能も、最近巷で流行りのダンスの振付も、時にはロックバンドでさえ、口伝や耳コピは当たり前です。

そう考えると、楽譜がヒエラルキーの頂点に立つクラシック音楽の世界が、むしろレアなのかもしれません。

そういえば弾いてるうちにこんなやりとりがありました。

「あいちゃん、思い切って目を閉じてみたら」

同じところで何度かつっかえた後、先生が言いました。

目を閉じてスラスラ弾きだしたあいちゃん∑(゚Д゚)

「あ、出来ましたー。目を閉じた方が余計なことを考えなくていいのかもしれません」

楽譜を使わないあいちゃんも凄いし、それを教える先生も素晴らしいです。

考え過ぎるとドツボにハマるのはその通りなのですが、私は楽譜は欲しいです。

それでも、私は弾けるようになり始めると楽譜を疎かにする傾向があります。 そうすると段々悪い方に向かっていきます。

発表会の5日前くらいにもスランプになりました。

確実に前の日の方が良く、このまま日に日に下手になって弾けなくなるのでは、と恐怖に襲われました。

結局、悩んだ末に初見だと思って、徹底的に楽譜を見て弾いてみることにしました。

どんなに下がっても初見よりはマシに弾けるはずと腹をくくりました。

覚えているところを見たがらない瞳、自由のまま奏でたがる十指。

それらをコントロールして弾くということを何とか初めて出来た気がします。

それにしても、チェンバロを始めて、暗譜の苦しみからは解放されたと思っていましたが、何だか逃れきれていない気がしてきました。

楽譜を見なくなるのは脳からの知ってるよというサインだと思うのですが、大して正確に覚えていないくせに変な指令を出さないでほしいです。

さて、楽譜を見るという行為にはもう一つメリットがあります。

鍵盤を見過ぎることがありません。

鍵盤を見ると正確に弾けるかって言うとそうでもなくて、正しい動きが出来ていることがわかればそれ以上は監視しない方がスムースに動けるように思います。

さっきのあいちゃんと同じようなことですね。

鍵盤の位置が心の目で見えていれば、後は押すだけでいいのです。 見ている必要はありません。

プロのピアニストは手元を凝視したりしませんし、アマチュアでも、飛ぶところを中心に危ないところを確認すれば、後は変に見過ぎない方が力が入りすぎないように思います。

では、視線はどこへ?

そんなときの楽譜です。楽譜を見ていれば考えすぎなくてすみます。

最後に、発表会で弾いた連弾曲の話を。

れいね先生に指摘されたので、楽譜のある場所に「盛り上げない」というコメントを書きました。

自然に盛り上がるところだから、そんなにやらなくていいということなのですが、ここを弾くたびに、何度となく無意識に盛り上げようとしていることに気がつかされました。

ついてしまったクセみたいなものを抜くのは大変なのだなと、それでも修正の機会を得られるレッスンは貴重だなと思いました。

楽譜と共に演奏すると、作曲家との対話、先生との対話があり、1人で弾いていても音楽を通してのコミュニケーションを感じます。

ただ、本当に1人の世界に入りたいときは、暗譜して、もっとジャズィに弾けると楽しそうだなと思ったりもします。

1曲くらい、暗譜しておこうかなあ。


thanks for coming by.
written by coquemomo

【2017/02 及川れいねチェンバロ教室コンサート @スタジオグイド】

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天王洲にある寺田倉庫さんの素敵な音楽スタジオ、スタジオグイド 今回の発表会はこちらで行われました。

スタインウェイのピアノとマークデュコルネのチェンバロが常設されている何とも贅沢な空間です。

チェンバロはもちろんのこと、ピアノに歌にダンス、さらにはフルート、ちびっこの演奏まで色とりどりの楽しい音楽の会になりました。

デュオ・ローズもこの日のために1台4手(連弾)に取り組み、華を添えることが出来たかなと思っています。

前回の発表会は一昨年前。そのときは友だちには声を掛けず、ひっそりと参加しました。

でも、今回はブログに書いてしまっていた手前、ヒミツにも出来ないし、何人か声を掛けてみました。

私の服を見越したかのようにピッタリの素敵な花束を持ってきてくれたり、この機会にと沖縄みやげを持ってきてくれたり、前日に大切な予定があり当日も忙しいのに駆けつけてくれたり、行けなくてゴメンねと可愛いお茶とお菓子を送ってくれたり、色々たくさんの優しさを受け取った日でもありました。

さて、招待すると決めたからには、幾つかの準備をしました。

まずは、れいね先生にお願い。

「発表会のチラシなんですが、先生のコンサートのような大きなサイズではなく、ポストカードサイズにしてもらえませんか」

「いいですよー」

アッサリOKが出ました。

A4サイズのチラシは渡すときに大きくて何だか恥ずかしいし、カバンに入れとくと端っこが折れてしまうし、ちょっぴり不便に思ってたのが、解消されました。

それから、選曲。

聴いたことがある曲、チェンバロの魅力が伝えられそうな曲、今までやってきた曲を全部思い浮かべて、ありったけの私を詰め込みました。

My Set List

(solo) #01
J.S.バッハ平均律第1巻 第1番 プレリュード
J.S.Bach : Das Wohltemperierte Klavier, Erster Teil, Preludium, C-dur, BWV846

(solo) #02
ラモー:一つ目巨人
J-P.Rameau : Les Cyclopes

(solo) #03
モーツァルトピアノソナタ第11番 第3楽章(トルコ行進曲
W.A.Mozart : Klaviersonate A-dur, KV 331

(duo Rose)
タプレ:四手のためのソナタ 第1楽章
J-F.Tapray : Sonate a quatre mains, op.29

あとは…チェンバロの魅力と言えば、レジスター!!

チェンバロは強弱がつけられない楽器ですが、レジスターによって音色を変えることが出来ます。

二段チェンバロに多い仕様は、8フィートの弦2列と1オクターブ高い4フィートの弦が1列張られているものになります。

この弦を組み合わせる機構をレジスターと言うわけです。

ラモーの一つ目巨人のような華やかな曲を3列で弾くと、煌びやかさが際立ちます。

トルコ行進曲はフレーズのリピートがあるので、1回目は1列、2回目は2列で弾くと、それだけで趣きが変わります。

などなど、レジスターをフル活用する構成にしてみました。

それにしても、本番とは難しいものです。

いっぱいミスをしたし、聞いている人にわかるミスもしてしまったのは致命的なのですが、それでも最後まで冷静に弾き切りました。

弾き終わったときに見えた先生の笑顔が嘘ではなさそうだったので、レッスンの成果が出せたかな、と思うことが出来ました。

そして、デュオ・ローズについては、

「もう一度弾きたければ、チェンバロの日で」

という先生のお言葉を頂きました。

チェンバロの日!」は日本チェンバロ協会 主催のチェンバロイベントです。

今年はれいね先生が出演するので聴きに行こうと思っています。

そのイベントの催しのひとつに一般の人が弾くことが出来るフリーコンサートがあって、それのことを指しているわけです。

イマイチだったのか、もう1回弾けば、もっと良くなりそうと思ったのか真意はわかりません。

でも、ソロを弾いて力を使った後に弾くより、連弾だけ弾いて、その後で先生のコンサートがある思うと、今日より上手く弾けそうな気がしてきました。

発表会も終わり、春の訪れと共に新しい曲に取り組みたい気持ちもありますが、デュオ・ローズはもうちょっとだけこの曲と付き合っていくことにしました。


thanks for coming by.
written by coquemomo

憧れのフランス製二段チェンバロの仕様と値段

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年が明けたばかりと思っていたのに、早いもので、もう2月になってしまいました。

今年2度目の更新ですが、前回は昨年のレッスンの話でしたので、今回が実質今年のファーストアーティクルです。

就任直後からスピード感たっぷりの小池百合子都知事を少しは見習っていきたいと思っていますが、根が怠惰なのでなかなか難しいです。

そんな私でも、年の初めには、1年の抱負を考えてみたりしていました。

発表会の曲を弾きこなすという現実的な目標から、いつかはバッハのイタリア協奏曲を弾いてみたいとか、しかも豪華絢爛なチェンバロで弾きたい、そしてそんな素敵な楽器が欲しい、というように空想は綿菓子のようにフワフワとふくらんでいきます。

そんな夢でも、やっぱりリアリティは大切です。 欲しい楽器と言って思い浮かぶのは、チェンバロ・フェスティバルで井岡さんと再会して久々に弾いたマーク・デュコルネのフランコ・フレミッシュです。

(注*夢を実現するための技術面での課題につきましては、ここでは触れないでおこうと思います。)

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あの時に井岡さんが改めて色々教えてくれたので、仕様を纏めておこうかなと思います。

・・・もしや、買えってことでしょうか?

井岡さんは商売上手の なにわのあきんど ですから、あり得る話です。

さて、頂いた仕様はこちら。

フランコ・フレミッシュ二段鍵盤ハープシコード
(ルッカース1646、タスカン1780)
Franco-Flemish after Ruckers -Taskin, Antwerp 1646, rebuild by Taskin, Paris 1780
(Musee de la Cite de la Musique, Paris)
61鍵
2×8' 1×4' バフ
鍵盤可動A392-415-440

初めて見たときは何のこっちゃでしたので、ちょっと丁寧に見ていきたいと思います。

フランコ・フレミッシュはちょっと置いといて、わかりやすいところからいきましょう。

二段鍵盤は鍵盤が2段あるということで問題はないですね。

ハープシコードは英語でチェンバロのことです。 ちなみにチェンバロはドイツ語になります。

ルッカースのあたりも後回しにして、簡単そうなのは61鍵、そうです、鍵盤が61あるってことですね。

88鍵のピアノに比べると少ないですが、チェンバロで61は大型の楽器です。

この楽器は2段鍵盤なので、丁寧に書くと61鍵×2段、つまり122個の鍵盤がついているわけです。

勝ち負けじゃないけど、ピアノに勝ちましてよ。

音域はここには記載がありませんが、61鍵だと普通はFF〜f3です。

真ん中のドから3オクターブ上のファまで、下は真ん中のドから3オクターブ下のファまでです。

この高い方のファはモーツァルトが多用するキーで、そういう視点で見ると、当時の最高音はここなのだなということがわかります。

バッハをメインに弾くなら、上はレまであれば問題ないと思います。

ちなみに、デュオ・ローズが現在取り組んでいる連弾曲はこの高いファがないと話にならないくらいたくさん出てきます。 逆にファより上の音は一切出てきません。

次の 2×8' 1×4' は弦のことです。

8フィートの弦が2本、4フィートの弦が1本、1つの音に計3本の弦が張ってあります。

具体的には、上の段の鍵盤に8'が、下の段に8’と4'が張られていて、同時に3本鳴らすとかなり華やかになります。

下鍵盤の8'と上鍵盤の8'も少し音質が違います。上鍵盤の方が囁くような感じでその違いも魅力です。

さらにバフストップがついていますので、箏のような音色を奏でることもできます。

続いて、鍵盤可動A392-415-440、ピッチの話になります。この楽器では3つのピッチを使うことが出来るということです。

A415というのが、いわゆるバロックピッチです。古楽では通常A415で合わせるので、今より半音低い音になります。

つまり、ドって鳴らすとシ♭(フラット)に聞こえるわけです。 最初は気持ち悪かったけど慣れました。

でも、これだけだと現代の楽器と一緒に合わせることが出来ません。

そこで出てくるのがトランスポーズ機能です。 440と言うのはモダンピッチなので、ヴァイオリンやフルートと一緒に合わせるにはこれを選びます。

選ぶと言っても、440と書いてあるボタンを押せばいいというわけではありません。

鍵盤可動という文字の通り、鍵盤を横にずらして、半音低い弦を鳴らすという仕組みです。

手順としては、ダミーキーと言えばよいでしょうか、鍵盤の幅の木片を抜いて、鍵盤を横にずらして、空いた方にそれを入れます。

だから、440にトランスポーズ出来る楽器で415しか弾いていなければ、一番上の音の弦はずーっと出番がないってことです。 当然です。どの鍵盤を押しても鳴らないのですから。

もう1つの392は別名ヴェルサイユピッチ。 更に半音、鍵盤を横にずらします。 ここまでついてるとかなり贅沢ですね。

そう言えば一度も弾いたことがないですけれど、モダンピッチから1音低いとなると、かなり違和感を感じるように思います。

さあ、ここまで来たところで元に戻りましょう。

フランコ・フレミッシュでしたね。

フランコは、フランスのという意味で、

フレミッシュはフランドル地方またはそこで発達した芸術様式のことです。

フランドルは美術史などで触れたことがある人も多いかと思います。

ベルギー西部、オランダ南西部、フランス北部を支配していたフランドル伯の領地を指します。

ちなみにフランドルを英語読みするとフランダースになります。ワンっ。

フレミッシュは、チェンバロの歴史的にはイタリアの次に来る様式で、当然のようにアンチイタリアの位置付けとなります。

装飾もシンプルで減衰の早いイタリアンに対し、ラテン語の格言や花や鳥を描き芸術的装飾を凝らし伸びやかな音のフレミッシュ。この後、華やかなフレンチに時代は流れていきます。

さて、チェンバロはピアノが流行って一旦途絶えてしまうので、現在あるチェンバロは博物館にあるものを復元したものです。またはそこに別の楽器の要素を足したり、オリジナリティを加えたりすることもあります。

この楽器のオリジナルはというと、

(ルッカース1646、タスカン1780)
Franco-Flemish after Ruckers -Taskin, Antwerp 1646, rebuild by Taskin, Paris 1780

ルッカースがアントワープで1646年に作ったものを、タスカンが1780年にパリで改造したものってことです。

ルッカース一族はフレミッシュを代表する有名な工房で、パスカルタスカンはフランス様式を代表するチェンバロ製作者の1人です。

これが曲だったら、ルッカース作曲、タスカン編曲といつたところでしょうか。

でも、このタスカンならではの装飾を考慮するなら、タスカンアヴェマリアにおけるグノーに近いかもしれません。

Musee de la Cite de la Musique, Paris

オリジナルはパリのMusee de la musique (ミュゼ・ドゥ・ラ・ミュズィック)にある置いてあるんですね。

Musee de la musiqueなら、れいね先生のオススメで昨年の3月に行ってきました。

あれ、じゃあ、私はオリジナルの楽器を自分の目で見てきたってことではありませんか!

そう、見惚れてしまう楽器がたくさんでした。

歴史的価値の芸術品なので、普通の人が弾くことは出来ませんが、見てるだけでもかなり幸せです。

うっとり。

ちなみにオリジナルはこちらです。

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たくさん撮ったとはいえ、知らずにキチンとカメラに収めた自分を褒めてあげたい。

しかもブログに使ってるんですよね。

私、この楽器と結ばれる運命にあるのではないかしら。

さて、最後に皆様お待ちかねのお値段の話。

「価格は変わってしまうので、目安として見ていただければと思います」

とは、オワゾリールハウスの井岡さんのメールに書き添えられていた注意書きです。

でも、なぜ金額が変わってしまうのでしょうか。 要因は大きく2つあります。

1.オワゾリールハウスが扱っているのはマーク・デュコルネの工房で作った楽器です。 デュコルネが値上げすれば、当然オワゾリールでの売価も上がります。

2. マークデュコルネはフランスのチェンバロ工房です。 通貨は当然ユーロになります。 つまり、為替の影響を受けるわけです。

自分仕様の楽器をオーダーする場合は、最新かそれに近いレートになります。

既に日本にある在庫を購入する場合は、レートの見直しをする必要はなくなりますが、それでも実際のレートと大きく乖離してくると見直しを行うこともあるそうです。

そのようなことで、幾らで買えますって言いづらいわけです。

だから、買うときにその時の値段を聞いてみてね☆〜(ゝ。∂)

〜おしまい〜

と、まあこれではここまで読んで下さった方に申し訳ありませんので、2016年7月時点でのざっくりとしたお値段は……

今回紹介した仕様でシンプルなモデルですと、600万円台半ばとのことでした。 それに消費税が加算されるので、実際に支払う金額は700万円近くになると思われます。

チェンバロフェスティバルで弾かせていただいたモデルは脚の形が特殊なので、この脚を選ぶことにより、百数十万円上がります。 1本数十万円の脚……ランウェイを堂々と歩くくらいなら朝飯前でやってくれそうです。

他にも装飾のオプションをつけていくと十万単位で価格が跳ね上がるので、オーダーする場合は悩みますね。 でも、段々値段の感覚が麻痺しそうで、家を建てるときに色々付けちゃうのと近いかもしれません。

比較的安価な二段チェンバロですと、以前書いた通り300万円くらいですから、この楽器はよい材料を使って素晴らしい製作家によって作られたものであるということがわかります。

異常な円高ユーロ安がなければ、凡そ値段は上方にしか修正されないので、早く買った方がよいのですが、夢で始まった今回の記事は、現実の厳しさを痛感したところで、幕引きとさせていただこうと思います。


merci de votre visite.
ecrit par coquemomo